こんにちは、海ノ向こうコーヒーの山藤です。
今回の記事では、オーロラ農園のコーヒーづくり以外の側面を紹介してみたいと思います。

毎年ご好評をいただいている、オーロラ農園のロット。今年も着々と輸入準備が進んでいます。
そのオーロラ農園を紹介するときに欠かすことができないのが、「オーロラ スタジオプロジェクト」です。
(プロジェクトのこれまではこちら)
農園のあるコバンの地域から貧困をなくしていくため、彼らの売り上げの一部をコーヒーの生産に必要な水のフィルターやソーラーパネル、ストーブなどの設置に充て、農家さんへ公平に還元しています。この地を愛し、隣人を助けたいという、アルドさん、ルシアさんご夫婦の想いのつまったプロジェクトです。
今回は、コーヒー栽培や産地の様子から話が少しそれますが、このオーロラスタジオプロジェクトに関わる人々の暮らしや文化、見てきたものをありのままに紹介してみようと思います。
コバンに到着した日、このプロジェクトによってストーブが導入されたカンパット(Campat)という村を訪ねました。本格的な栽培はまだではあるものの、オーロラ農園が今後さらに関わっていきたいコミュニティなのだそう。コーヒーの木が少し植えられており、これからの栽培への心意気も聞かせてもらえました。
1軒目。コンクリートブロックでつくられた簡素な家の中に入ると、そのストーブが家の片隅に。ちょうどコーンを煮炊きしてトルティーヤの仕込みをしていました。薪をくべる箇所を囲み、熱が効率よく天板にわたるような構造のストーブ。排気のための煙突もついていて、うっかり火に触れてしまう心配もほとんどありません。原始的な形のものよりも安全で、エネルギー効率も良いそうです。
家主のパブロさんにお話を聞くと、庭先で採れたコーヒーをこのストーブで焙煎して飲むこともあるそう。パブロさんは、建設の仕事で収入を得ており、奥さんと4人の子どもたちを養っています。野菜も育てているけれど、収入源というよりは毎日の食卓のため。コーヒーなら換金作物として育てられるのではないかと、栽培を始めたいと考えています。


まだ均されていない庭先には、4、5本のコーヒーの木が植わっていました。「あっちに川が流れていて、水はそこから引っ張ってきているんだ」とパブロさん。足元を見ると、タピオカ用のストローくらいの太さのチューブが張られていて、それを川までつないでいるのだとか。このあたりで暮らす人々は、数キロにわたり水を引っ張ってきて、日々の生活や農業に使っているそうです。
2軒目、サンティアゴさんのお家。ここにあるストーブは、オーロラプロジェクトで支給されたものではなく、腰の高さくらいの台の上に薪をくべて火を焚くタイプの伝統的なもの。火を囲うガードがなければ煙突もないので、部屋の中には煙が充満します。ストーブのへりに平気で座る女の子を見て「こんな感じだから、この形だと危ないのよ」と、隣にいたルシアさんが教えてくれました。

「コーヒーは飲むの?」と聞いてみると、見せてくれたのは砂糖入りのインスタントコーヒーの袋。これが彼らにとっての日常のコーヒーのようです。いろいろと話をしていると、娘さんの一人が家の近くで採ったであろうバナナをもってきてくれました。
真剣に話をしてくれ、子どもたちが歓迎してくれるのは、きっとオーロラ農園のメンバーが日ごろから彼らとしっかりコミュニケーションをとっているからこそでしょう。
帰り際にはこちらに駆け寄ってきてお見送りしてくれた子どもたち。ストーブでケガするんじゃないよ、と思いながら手を振ってお別れです。

家々が並ぶ通りには、カラフルな民族衣装を着た女性たちが目立ちます。このエリアより北部のウエウエテナンゴの村を訪れたときは、この民族は赤色を身に着けるんだ、と教えてもらいましたが、ここでは青、緑、ピンク――とさまざまな色が使われています。身近で手に入る染料などが影響しているのかな、と想像しながら彼女らにあいさつをし、次の場所へ向かいます。
3軒目。ここでは伝統の織物である「ウィピル」を織る様子を見せてもらいました。民族衣装1着に仕立てようとすると2か月もの時間が必要というこの織物は、古くから女性たちの仕事であり、みんな10歳くらいから習い始めるそう。植物や虫からとれる染料を使って自然の色で糸を染め、それを縦横にくみあわせて模様を織っていきます。「これを販売して彼女らの収入源を増やしたいと思っているんだ」とアルドさん。織りあがる布そのものはもちろん、十色以上はあろう糸を巧みにより分けながら模様を描いていく技術もまた、大切に受け継がれてきたもの。こういった暮らしに根付く手仕事のことも、コーヒーとともに届けていきたいと考えさせられます。


コーヒーを買うことが、現地の人々の生活をよりよくする。それは、ただお金を儲けてそれを元手に必要なものを支給しよう、という単純な話ではないことを、彼らと言葉を交わし、触れ合うなかで感じました。
ストーブ導入、というのは目立ってわかりやすい「成果」ですが、その背景には、地道に、丁寧に、サポートを必要とする人々とコミュニケーションをとりつづけてきたオーロラ農園のメンバーの積み重ねがあるのです。
コーヒー産業やその周辺に関わる人々の暮らしがよりよいものになるために、オーロラスタジオプロジェクトは続いていきます。私たち海ノ向こうコーヒーも、アルドさん、ルシアさんの想いをより多くの方々へ届けていけるよう、この活動の背景を伝えつづけていきたいと思います。

オーロラ スタジオ プロジェクト
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