インドネシア

Indonesia

神々の島、バリの光と影

バリ島、と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか。
エメラルドグリーンの海。異国情緒溢れるリゾート地で、ショッピングや、ゆったりとした一時を楽しむ。
そんな華やかなイメージのバリ島も、少し観光地を外れると様子は違っています。山奥や農村部ではまだまだ生活は豊かとは言えず、減ってはいますが、観光地まで物乞いにくる子供達も未だ目にします。
僕らがはじめに出会ったのは、バリに暮らし、貧しい地域に暮らす人たちの自立をサポートしようとされている日本人、大西雄季(おおにしゆき)さん。はじめは観光業でバリにきていたユキさんですが、自家焙煎のコーヒー屋さんを始め、こだわりだすと止まらないユキさんは農園にまで携わりだすように。そこで農村部の暮らしを目にします。今ではコーヒーだけでなく、そのさらに奥地でカシューナッツなどの製造に取り組むNGOのサポートをしています。一つ一つ丁寧に手剥き。ちょっとカタチはイビツになりがちですが、世界に通用する品質の商品を作られています。(少量ですが、海ノ向こうコーヒーでも取り扱っています。)

パック=スラマットの挑戦。天然酵母とテロワール。

ボン村のコーヒー農家さんたちをまとめるのは、パック=スラマットさん。
もともと、大きなコーヒーの精製場のマネージャーとしても働いていた彼ですが、自分の理想のコーヒーをつくろうと、地元で、家族と一緒に。周りの農家さんたちも少しずつ巻き込みながらコーヒーづくりに取り組んでいます。
彼の作るコーヒーこだわりポイントはたくさんありますが、何よりも私たちが惹かれているのは、彼の秘伝の”天然酵母”。地元のフルーツ、たしかバナナ、パパイヤ、マンゴーなどのトロピカルフルーツ由来の天然酵母をつくっています。(詳しいレシピは、私たちも教えてもらえません…)
その影響あってか、南国のフルーツをおもわせる、ジューシーな酸味とまろやかな甘みが感じられます。

一大産地で、キラリと光る個性。

インドネシアといえば、「マンデリン」で知られるように、アジアの中ではコーヒーの一大産地です。
海ノ向こうコーヒーは、インドネシアにおいても、パック=スラマットのように小規模でも創意工夫をしながらコーヒーづくりに取り組む農家さんたちが埋もれてしまわないように、もっと光をあてていきたいと考えています。
いつでもどこでも同じ品質のものを安定してつくる。ということも、リスペクトすべきことです。
ですが一方で、ワインでいえばボジョレーのように、地域ごとに年毎の変化=ブレを楽しむ消費のあり方も大切ではないか。
常に変化する自然と向き合い続ける農家さんたちをみていると、そんな想いにかられます。

バリの湧水コーヒー

インドネシアのバリ島、コーヒーの主要産地キンタマーニから少し離れたプラガにあるボン村。 現地で聖なる山と呼ばれるチャトゥール山のふもとから湧き出る綺麗な水で精製したコーヒー豆です。 試行錯誤を重ねて秘伝の方法で生み出した、バナナやパパイヤ、マンゴーなどのフルーツ由来の天然酵母を使用して発酵させています。 柑橘系の酸味とココナッツのようなまろやかな甘み、そして透き通るようにクリーンな後味が特徴です。