COFFEE TALK MAGAZINE vol.1(おもしろいコーヒーってなんだろう?)

海ノ向こうコーヒースタッフの間で日々交わされている、コーヒーにまつわるさまざまな話し(トーク)をマガジン化してご紹介。産地のこと、コーヒー市場トレンドなどなど、フレッシュでディープなトークをお届けします。

<話す人>

・カマツカ(上の写真右)
デリバリー時々産地担当。8月末にペルーへ渡航。
冬に入荷予定のペルーコーヒーが待ち遠しい今日この頃。

・イワサキ(上の写真左)
海ノ向こうコーヒーのバイヤー。
ほぼ全ラインナップの品質をチェックし仕入れを決めてるすごい人。毎日がカッピング祭り。

おもしろいコーヒーってなんだろう。

カマツカ(以下カマ)イワサキさん、突然ですが「おもしろいコーヒー」ってありませんか?

イワサキ(以下イワ)ほんとに突然ですね・・・。

カマ:近頃よく聞かれるんですよ、「なんかおもしろいコーヒーありません?」って。

イワ:まぁたまにありますね、でもお客さん(ロースターさん)はプロですよ。そんなによく聞かれます?

カマ:ロースターさんじゃなくて、ただコーヒーが好きで飲んでる、という人たちにです。


イワ:あぁ、なるほど。

カマ:コーヒーが好きな方々に、コーヒーの生豆問屋で働いてますっていうと、ほぼ必ず聞かれます。何種類くらいあるんですか?ざっと100種類くらいあります。えーすごい!じゃあ1番おもしろいコーヒーって、どんなのですか?って。

イワ:はいはいはい、よくわかります。

カマ:1番おもしろいと言われても選べなくて困ってしまいますが、そもそも「おもしろいコーヒーってなんだろう」と考えまして。

イワ:きっと「おいしい」だけじゃないですよね。

カマ:そう思います。「おいしい」だけじゃない魅力的なコーヒーはたくさんあって、私たちはそういうコーヒーを取り扱うようにしています。でも「おいしい」だけじゃない「おもしろい」部分って、私たち自身もまだまだ味わいきれてないのでは? とあらためて感じたんですよね。

イワ:そうかもしれません。時期によって変動はありますが、年間100種類以上取り扱ってるなかで、気づいたらすぐ完売!となってしまってるコーヒーもありますね。

カマ:それはとてももったいないので、あらためてコーヒーの「おもしろさ」を掘り起こしていきたいな、と。というわけで!あらためてお聞きします。「なんかおもしろいコーヒー、ありませんか??」

イワ:めちゃくちゃありますよ!そうですね~、私の最近の推しはインドネシアのコーヒーなので、まずインドネシアからいこうかな。

カマ:おおー、いいですね。ぜひお願いします!

世界にここだけ?! 希少なバジャワコーヒー。

イワ:インドネシアのおもしろいコーヒー、いろいろありますがまずはコチラ!
「インドネシア フローレス島 バジャワ」

カマ:おー、意外。これが一発目というのが意外です。イワサキさん的にどこら辺がおもしろいんでしょう。


イワ:それは世界的にもここにしかないかも?!という希少性ですね。


カマ:え、これそんな珍しかったんですか?昨年からある定番品かと思ってました。


イワ:すごく珍しいですよー。そもそもインドネシアといえばスマトラ島のコーヒーが1番有名ですよね。あとはジャワ島とか、バリ島とか。フローレス島のコーヒーという時点で、インドネシアではマイナーです。


カマ:そうですね、たしかに。

イワ:そしてフローレス島のコーヒーと言えば、一般的に貿易拠点のルテン市という場所のコーヒーのことを指しますが、私たちが取り扱っているこのバジャワは、ルテンから東に車で4時間くらい行った場所にあるバジャワ市でつくられたコーヒーです。

カマ:マイナーなフローレス島のなかでも、さらにマイナーなんですね。

イワ:そうです。Nolawanga 生産者組合に所属する278世帯の農家さんがつくってるんですが、彼らは生まれ育ったこのバジャワの地でつくっているコーヒーにとても誇りをもってらっしゃいます。だから「フローレス島のコーヒー」とひとくくりにしてしまうのではなく、「フローレス島のバジャワのコーヒー」の味を知ってもらいたい、そして品質を高めていきたいと日々取り組んでおられます。

カマ:なるほど。

イワ:実際スマトラ島のものと比べて、口当たりが丸みがあってブラウンシュガーの甘味を感じる、落ち着いた素朴な味わいという特徴のあるコーヒーなんです。ちょっと深く焼くとさらに甘味が増して余韻が長く続く、バリ島やジャワ島にもない味わいで。これはほかのインドネシアのコーヒーと混ぜられたくないな~という気持ちがわかります。

カマ:味としてもインドネシアコーヒーとして珍しいんですね。

イワ:それだけありません。このバジャワ、世界的にもここにしかないかもしれません。

カマ:あ、そういえばそう言ってましたね。数が少ないんですか?

イワ:そうですね。それもありますがそもそもこのバジャワ、本格的に輸出しはじめたのが一昨年(2021年)くらいからなんですよ。

カマ:え、そうだったんですか?!

イワ:そうそう、それまではメジャーなルテンのものと混ぜられたり、ルテンのものとして認識されてたみたいで。いやいや、私らバジャワだから!バジャワのコーヒーとして知ってほしいよ!ということで別ものとして輸出することがはじまったのがつい2年前くらいからです。だからまだあんまり取引きされてなくて、私たちが取り扱うほかはロシアにちょっと輸出してるくらいなようです。日本ではうちだけですね。

カマ:それでこの品質、すごくないですか?

イワ:すごいと思いますよ。知られてない、いいコーヒーってまだまだたくさんあるんだなって感じました。

カマ:いやー、いいこと聞きました。こういうお話しを聞くと、より味に深みが増しますね。

イワ:こんないいコーヒーなので、これからもバジャワのコーヒーの品質はどんどん高まってくると期待してます。いつかインドネシアのメジャーなコーヒーとして知ってもらえる日も近いかもしれませんね。

カマ:そんな日が1日でもはやくなるよう、私たちもどんどんご紹介していきましょう。

イワ:そうですね、ぜひ多くの人に味わって楽しんでいただきたいです。

カマ:今日はありがとうございました!

イワ:こちらこそ、ありがとうございました~。またこんな話ししましょう!

今回ご紹介しましたインドネシア フローレス島 バジャワはコチラ。
商品ページにはより詳しい情報が載っていますので、ぜひご覧ください。

インドネシア フローレス島 バジャワ スマトラ式

2022年に引き続き、フローレス島から「柔らかさ」が印象的なコーヒーが届きました。いわゆるマンデリンと比較すると、酸味やフレーバーに柔らかい丸みが感じられるので、マンデリンを飲み飽きた方にはぜひおすすめしたいです。

インドネシア フローレス島 バジャワ ウォッシュ

フローレス島産のコーヒーは2022年までスマトラ式のみ取り扱っていました。2023年は新たにウォッシュ(ドライハル)が入荷。キリっとした明るい酸味とクリーンな味わいから、すっきりとした爽快感が楽しめます。