【Podcast ep.107】スピンオフ_パプアニューギニアの渡航話(MOUNT COFFEE × ONSAYA COFFEE ×海ノ向こうコーヒー)

今回はスピンオフとして海ノ向こうコーヒー 山本が、MOUNT COFFEE&ONASAYA COFFEEさんと共にパプアニューギニアへの渡航話をお届けします。パーソナリティはMOUNT COFFEE 山本(M)さんロースターさんの視点から見た産地話をお楽しみください。

音声で聞きたい方はこちらのPodcastから


今回のスピーカー

海ノ向こうコーヒー
事業責任者
山本(U)

兵庫県出身。これまで、フィリピンの大学にてアグロフォレストリー、コーヒー栽培について研究を行う。その後、世界各国のコーヒー豆の生産地への訪問や技術指導を通して、産地と日本をつなぐ活動を行っている。昆虫が好き。

MOUNT COFFEE
代表
山本(M) さん

和歌山県出身。10代で訪れたカナダのスターバックスに衝撃を受け、コーヒーの世界へ。広島のカフェや自家焙煎店での経験を経て2014年に広島にて開業。フリーペーパー「YAMABON」やPodcastや書籍の出版での発信を通じてコーヒーの可能性を伝える。

ONSAYA COFFEE
代表
東 さん

広島県出身。幼い頃、父と通った"喫茶店"への憧れから2008年に開業。岡山に4店舗、福山に「東珈琲店」を展開する。喫茶店の文化やデザイン、歴史までを含めた"コーヒーカルチャー"を大切にし、音楽好きが高じてソウルバンドのボーカルも務める。ONSAYAは「音茶屋」とも読む。


オープニング 

山本(M) はい。ということで、DRIP TRIP通信です。今回は番外編ということで、私MOUNT COFFEE山本と海ノ向こうコーヒー山本(U)さんと、お馴染みONSAYA COFFEEの東さんの3名で、なんとパプアニューギニアに来ております。よろしくお願いします。いや、ほんとにね、最終日ということで。もうみんなご機嫌ですわ。お腹いっぱいになってます。韓国料理で、最後は締めで。素晴らしい旅でしたね、今回は。

山本(U) パプアニューギニアの料理、なにか食べましたっけ?

山本(M) ガーデンカイカイですね。あとムームー。

ムームーも食べたね。

山本(M) 確かに。ムームーとガーデンカイカイだけやな。野菜がやっぱりうまいですね。あとは鶏。今回は鶏だったんですかね、蒸し焼きみたいな。というのもですね、今回は本当にパプアニューギニアに、ずっと来たいなとは思ってたんですけど、まさかの海ノ向こうコーヒーさんのグローバルハウス補助金で来ることになるとは。

山本(U) グローバルハウスですね。

山本(M) そうです。だからパプアニューギニアで、いろんなことをちょっと調べてみましょうという。ざっくり言うとCO2ですかね、窒素ですかね。

山本(U) グローバルハウス、地球温室効果ガスですね。温室効果ガスのところを今回はピックアップして、削減のために何かできないかというのも調べに来たと。

山本(M) その結果、コーヒーのチェリーが発酵する段階で(温室効果ガスを)出しているんじゃないかということで、そのチェリーを何とか使うことができないかということで、カスカラ。そこを何とかしてみようというので巡っていたわけなんですけど。今回は、パプアニューギニアのなかでも大きい産地を4つですかね。それぞれの産地が非常に興味深かったんですけど。


コルブラン農園

山本(M) 最初に行ったところが、コルブランでしたね。

山本(U) カイナントゥ。

山本(M) コルブラン。東さんが、今一押しのパプアニューギニアということで。俺もこの前使わせてもらって。

4年、5年、6年ぐらい使ってますね。

山本(U) そうか、6年になるか。

海ノ向こうコーヒーさんが輸入し始めてからずっと。最初びっくりしました、これ、おいしくて。

山本(M) マンリーコーヒーのスナガさんも使ってて、今回来る時に「コルブランさんのコーヒー、これ渡してください」って預かって、実際渡してきました。喜んでくれてました。ほんとにめちゃくちゃ綺麗な農園でしたね。一番最初に見たからよくわからなかったんですけど、僕、これまでそんなにいっぱい行ってるわけじゃないですけど、一番似たところだと、グアテマラで見たような、すっごい整えられたコーヒー農園という印象でしたね。

山本(M) 農園主のニコル・コルブランさんは、白人の方ですね。ニュージーランドの方ですね。威厳があった。もっと泥臭い感じでみんなを引っ張っていく感じなのかと思ったら、すごい威厳でこう引っ張るタイプの人でしたね。

山本(U) 「お前、やれ」「これ取りに来い、はよ」って、空気が変わる感じがありましたね。でも、ああならざるを得ないんですよ。

山本(M) ああいう風にして、パプアニューギニアの人たちを統率しながらね。

結果、このクオリティですもんね。

山本(M) だから、前にコルブランさんのところを使った時に、山本(U)さんと話したのは、コルブランさんだけが農園を経営していて、栽培しているコーヒーを栽培しているみたいな。それ以外の人たちは本当にもう売りに来たものを買って、というような話をしていて、「それぐらいあそこは特別ですよ」みたいな話をしていたんですけど、本当に意味が何となくわかったような。

プランテーションって感じだった、本当に。面白かったですよ。


アサロ/マッドマン(シード・プランテーション)

山本(U) その後に行ったのはアサロでしたね。

山本(M) そうですね。その前にボルカフェのドライミルを見せてもらって、そこでカッピングもさせてもらいつつ、いろいろ説明してもらって。次がアサロのシード・プランテーションですね。屈強な、あんまりちっちゃいボブ・サップみたいなお父さんがやってるところでした。あっちは全然、森のなかで育ててるって感じがして、俺は断然そっちの、農園だけ見たら、すごい好きやなという感じはしましたけどね。

山本(U) 整ってるのよりも、もうちょっと雑多な感じが好きってこと?

山本(M) 森があるっていうのはやっぱ好きなのかなと思います。木の下でコーヒーが育つ。今日、昨日行ったシグリとかも、最後に行ったところなんですけど。そのシード・プランテーションっていうのは、マッドマンコーヒーですね。マッドマンって、説明お願いしていいですか?

山本(U) マットマサロっていう地域があって、そこで暮らす民族の先祖がマッドマンって言われてて。なんでかって言うと、地域が盆地になってて、言うたら肥沃な、栄養分が溜まりやすい場所。だから何でも育つし、いい場所って言われてて。かたや山に住む違う民族が、それが羨ましいから度々襲いに来る。ある日ついに負けてしまって、追い出されてしまって。一部のマッドマンの先祖の民族は、泥のなかに逃げ込んで隠れて、彼らがいなくなって後ろを向いた時に、泥から出てきて驚かせて撃退した、という伝説がある。だから泥で村を守ったマッドマンという。

山本(M) 仮面というか、全身に泥を塗って仮面をつけて、というのが、あの村でツアーもやっていて、その歴史を語ってもらうものにも行きましたよね。

幽霊みたいなのが怖いということで、みんながああいう得体の知れない格好で出ていくことで、敵の戦意をくじく、恐ろしいと思わせたという。

山本(M) そのショーはめっちゃ怖かったよね。

迫力がめちゃくちゃあって。弓をポンって射されるかと思って、きゃーって言ってた。

山本(M) 主演の俳優はかっこよかったね、舞台俳優が。子供の子役もかわいかったよね。

そこでムームーっていう、土のなかに埋めて蒸し焼きにする料理を食べましたね。それも素晴らしかったですね。

山本(M) あとシュガーフルーツも。

食があそこよかったよね。バナナ6種類ありましたからね。全然違うっていう衝撃でした。2〜3種類食べたね。エナジーバナナは食べたね。バナナばっかり食べてたもんね。

山本(M) 東さん、シュガーケーン吸っとったよな。

初めて吸いましたね。

山本(U) 沖縄とかで見るような竹みたいなのを歯でシュワシュワやりながら。

甘かったけど、優しい綿菓子みたいな感じで。

山本(M) 強烈じゃないのが自然な感じでおいしかったですね。

山本(M) なぜマッドマンって名前をつけたんですか、山本(U)さん。

山本(U) その地域で暮らす人たちの先祖がマッドマンって言われてて、その子孫が今いる人たちなんですよ。その人たちがコーヒー作ってて、標高1,700m、ティピカ、水洗式で、コミュニティで作ってます。で売れるけど、おもろないなと思って。もうちょっと産地の方に目を向けてもらう、イメージしやすい、売りやすくするにはどうしたらいいかなって思った。ロースターさんのことを考えるとしたら、このマッドマンっていう文化はやっぱりすごく強烈やし目を引くから、この名前をつけようと。

山本(M) マッドマンの話だけ聞いてもピンとこないと思うんですよ。でもコーヒーはやっぱり身近やから、「マッドマンコーヒーって何や」ってなった時に、実際に飲める。そうなったときに、パプアニューギニアの文化やお話と、自分との接点ができるわけじゃないですか。そこで一気につながる感覚ができるっていうのが、コーヒーのすごいいいところだなと思うんですけど、まさにそれは出ましたよね。

山本(M) そこに訪ねるっていうのがね。まさか本当にマッドマンに会えるとは。マッドマンに会いつつ、そのコーヒーを作っているマッドマンの子孫たちが作っている、シード・プランテーションにも行き、森もよかったよね。あそこが70年ぐらいの、太い幹を持った木があって。

山本(U) あそこらへんがパプアニューギニアの、周辺で本当に最初のほうに入ってコーヒーが導入されてました。

山本(M) 戦後に植えて、だから一番古い木がまだ残っているということですね。カットバックされ続けて。登りはすごいよかったですね、本当に。

山本(U) エチオピアでも見ないですよね、あんな太いの。


ジワカコーヒー

山本(M) その日そのまま移動して出会ったのが、ポールでしたね。

エマさんね。ポールのコーヒーを紹介してくれたエマさんね。ジワカコーヒー。

山本(M) さっき言った6種類のバナナと、ケーンシュガーと、トマトのやつ、名前忘れたね。あ、タマリンドだ。中がシードになってて、吸うやつなんですよ。

山本(U) あれ苦手なんですよ。

トマト苦手やゆうてたね。

山本(U) ケニアも苦手なんですね。

あそこの働いてる人たちの雰囲気めちゃくちゃ良かったですね。

山本(M) 最初に行ったところと全然雰囲気の違うウェットミルというか、同じ国のウェットミルでも、場所が違うと全然雰囲気が違うんだなっていうのはすごい感じましたね。

山本(U) 現地の人がやっているか、白人がやっているかでやっぱり変わってくるのかもしれない。

山本(M) エマさんという女性の方が、そこに行った時に一番最初に挨拶してくれて、広げていたアフリカンベッドの前で、ジワカコーヒーの紹介をしてくれて。それは山本(U)さんが訳してくれて聞いてたんですけど、ちょっと感動的でしたね。今までその前に行った2つの農園とはまた全然違う思想というか。品質だけじゃなく、作っている人たちのことを気にかけながら整えていきたいという説明を、わざわざロースターにしてくれる人はなかなかいないと思うので。丁寧に説明してもらったという気持ちにもなったね。

山本(U) 今まで産地で女性の生産者に会ったことあるんですか?

山本(M) 僕はエチオピアのエリアナさん。でも、女の人がメインでコーヒーを仕切ってますみたいなのは、

メインで仕切ってる人はあまり見ない。


女性生産者エマさんの姿勢

なんかスペシャルティコーヒーを作っていって、そういうのに賛同してくれた農家さんのコーヒーを集めて、他よりも10%高い値段で買い取ってるんですみたいなことを言ってて。

山本(M) コーヒーの流れとかも作り手の人にちゃんと説明して、僕たちみたいなロースターがいるというのを説明してくれる、その流れを全部わかってる人って感じだったよね。

志が高く、ポジティブなワークショップを行うって言ってましたね。丁寧に、徐々にみんなで伝えていく。

山本(M) すぐに品質を上げるんじゃなくて、という話もしてました。

山本(U) 最初はコーヒーの歴史から、農家さんがエチオピアのカルディの伝説を知ってるよって言ってたし、パプアニューギニアのコーヒーの歴史、いつどう入ってきたか。そこから、サプライチェーン、コーヒーを育てたら、次にこういう人が加工して、こういう人が輸出して、こういう人が輸入して、ロースターがいて、一般消費者に届くんだよという流れ。ようやくそこから加工とか品質っていうのを伝えていくという。

とにかく丁寧ですね。

山本(U) 面倒くさがらずに伝えようっていう、そこはすごい共感を持ってます。

山本(M) 出会った感あったもんね。

感動みたいなのがあったよね。こんな人おるんやみたいな。

そこからエマさんと一緒に農園へ。

山本(M) その日は時間があんまりなかったってことで、本当は小農家、ちっちゃくやってる人も紹介したかったんだけど、近くにいる一番大きめのコーヒーを作っている人のところに行きますということで、みんなで車に乗り込んで、40分くらい走ったね。その道中もエマさんの隣に山本(U)さんが乗って、ずっと話しよった。

山本(U) おれ、何話してたんですか?

山本(M) ポールの話してたよ。ポールがどういう志かみたいなのを、子供を呼んで家を建てて、育てるところもオーガニックっぽい感じで。オーガニックで育てることで、山とか土を長く使う、サステナビリティを高めながら、さらに子供たちにそういうものが必要だよっていうのを伝えていく。自然と子ども達を同時に大切にしていくというのをやってるんですって、エマさんが言ってて。山本(U)さん、素晴らしいですねって言ってました。

山本(U) すごいやん、めっちゃ英語わかってるやん。

山本(M) あとストーンXの話もしてたよ。山本(U)さんは珍しく前のめりで話聞いてた感じしたけどね。

山本(U) この前エマと会った時はあんまりできなかったのでね。

山本(M) その道中30〜40分行って着いたのが、ポール。そこで出会ったのがポール。もうかっこよかったね。70歳。

1発好きになったもん。

山本(M) ちょっとかっこいい白人のおじいちゃんみたいな。

ジャズやってるぞ、まじで。

山本(M) 考えとかも、変なこと言うわけじゃなくて、「もう金やで」と。それが嫌な感じじゃなくて、何のためにやってるかっていうのがはっきりわかるっていう。そのために、サステナビリティも頑張るし、子どもたちにも伝えていきたいっていうのはすごいよかったです。

地域のレジェンドと呼ばれてたね。1984年からあそこのコーヒーを切り開いていったのは彼ですもんね。

山本(M) マウントハーゲンの地域に初めて植えたみたいな。40年前の写真を携帯で見せてくれて。


サプライチェーンをめぐる対話

でも、お金の話をしてたけど、やっぱりサプライチェーンがわかってない、不透明やし、お金の流れがどうなってるんやという疑問をずっと持ってたよね。そこで、ヒロ・山本が、サプライチェーンについてもすごい熱く語ってくれたな。すごい、いい話し合いというか、僕すげえ聞いてて感動しましたけどね、本当に。

山本(M) エマの話に続いて、今度は山本(U)さんが作ってる生産者の人たちに話をするっていう流れが。

末端のサプライチェーンの人が来てくれたのは初めてって言ってましたよね。ロースターだけじゃなくて、輸出輸入業者が来たのは初めて。すごい喜んでくれてて、

山本(U) ものすごい熱心に聞いてましたから。

いいコミュニケーションでしたよね。

山本(M) 心に残ったのは、生産者の方も、庭で10kg作ってる人もいれば、大きく作ってる人もいる。その人たちに直にロースターとやり取りじゃなくて、輸出業者、輸入業者、その間にいろんな人が入っていくことで、それを取りまとめながら、最後にロースターに届く時はやっぱり毎月100kg売る人もいれば、10kg、20kgの人もいて、その人たちにも分けていける。生産者サイドも消費サイドも、大きいところもあれば小っちゃいところもあるけど、それぞれをうまくつなぐことができるのがサプライチェーンの役割なんじゃないか、と。

それはすごいよかったよな。

山本(M) 「一緒なんや、そういうこと」みたいな。

向こうは向こうの立場で、俺らも農家にお金をしっかり払う責任があるっていうのを、こんこんとずっと訴えて話してて。

山本(M) ポールさんともう1人いたレピさん、モガエリアの人。「俺らの責任なんだ。小農家さんを束ねてて。だから説明してくれって」と言ったら山本(U)さんがサクッと説明したら、レピさんがめっちゃニコニコしとったな。

やっぱり話すことで、今まで不透明だった関係性が、すごく納得、お互い納得して、本当に分かり合えたみたいな感じがしたよね。

山本(M) だからそこから向こうの2人は最初、ダイレクトがいいんじゃないかって言っとったよね。

それは間に不信感があるから。

山本(M) 「間がどういう風になってるかわからん」と。それだったらもう直接やり取りした方がいいんじゃないかって思ってるって話をしたところで、山本(U)さんがサプライチェーンっていうのはどういう役割を果たしているかっていうのを話して、それをきちんと話していくのが超大切だよねっていう。そこに俺らのこんなちっちゃいロースターが入れたっていうのはよかったよね。

もうポールとレピさんのコーヒー、使いたいもんね。エマさんのコーヒーも使いたいよね。

山本(U) 産地の人たちは消費のことがわからへんし、どんな人たちがどうやって売ってるとか何もわからへんし。日本もいろんな人が作ってて、どういう流れでそのコーヒーが輸出されてるかなんて知らんし、わからん。だから、まず知っていくことから始めようぜ。

お互いね。

山本(M) 話してちょっと知るだけで、すごく前進しますね


「知ること」、産地への向き合い方

山本(U) ちょうど、パプアニューギニアに来る前に、海ノ向こうコーヒーのなかでキックオフをやったんですよ、みんなのミーティングで。「来年も頑張りましょう」みたいな。僕らの会社としてやっているのが、「産地を思う想像力を」というのをキャッチコピーにしたり、「コーヒーの続きを一緒に作ろう」というのをキャッチコピーにしたりしていて、そのスタッフの人に、どうやったら想像力が作れると思いますか、どうやったらコーヒーの続きっていうものを作れると思いますか、っていう話をしたんですよ。まさにその時に話してたのが、まずは知っていきましょうと。知ることによって想像力が膨らみますよね、と。知って終わるんじゃなくて、それを深めていきましょう、理解を深めていきましょう。深めれば深まるほど、いいことも見えるし課題感も見えてきて、だからこそ続きが作れますよね、というようなことを伝えていたんです。で、なるほど。同じこと言ってた。せやんな、ここ大変やんな、頑張ろうみたいな思いましたね。

山本(U) なんかあれは扱っていきたいし、また行きたいな。

山本(M) 山本(U)さんと産地に来ると楽しいなって思うのは、生産者の人とより深く話ができる感覚があるんですよね。山本(U)さんが相手のことを知ろうとしてるし、知識もあると思うんやけど、そもそも知ろうとするじゃないですか。その姿勢は価格やクオリティ、どういうところで作られてて、というのにとどまらず、もっと最初の部分を知っていこうという姿勢があるから、そういう人と一緒に産地に来れるっていうのはとってもラッキー。刺激的。

そこに加えて、さらに産地が持ってる問題とか課題とかに、山本(U)さんが「こんなことできますよ」みたいな。農家の人たちが「そんなのあるの」みたいに喜んでくれたり、すごいやる気になるようなことを、必死で山本(U)さんがギブしようとする、そういうところがずっと終始あって。こんなのある、もっとこうやったらこうなるよ、も含めて、サプライチェーンの話も真剣に彼らと話せたし、だから山本(U)さんに感動したんかな。

山本(M) すげえ山本(U)さんの、産地の人に僕が知っている限りやれることは全部してあげたいという、それでお互いに良くなっていこうよっていうのがすごい終始感じられましたよね、僕は。知る以上に、自分の知っていることも全部伝えていって。知る、伝える、深めていくっていう。

山本(U) これはもうちょっと、ぜひうちの部署の人間に聞かせなあかんわ。笑

山本(M) みんなに聞いてもらってください、これ、本当に。感動しましたよね。山本(U)さんとおったら向こうの人が大体前のめりになってくるもんな。

みんな「センキュー、センキュー」というね。

山本(M) まじこの人、どこ行ってもそうだよな。ドライミルとか別の農園に行っても、ちゃんと伝えられることは全部伝えるっていう感覚あるもんね。

今日も移動の飛行機の中で、ぱっと起きて横見たら、ラオスの本読んでました。そんなとこまでどこまで深めんねんみたいな。

山本(M) 好きなんやろな、結局。

山本(U)さんの、本当に。そこがやっぱり原動力素晴らしかったですよね、本当に。そういうのがあるから、山本(U)さんと旅するのは、楽しい。

山本(M) バヌアツ、トンガの時とは全然違うからね、僕は。やっぱりバヌアツ、トンガ行って思うのは、パプアニューギニアがいかにコーヒーに適してるかっていう、標高もあって、その肥沃な土地っていうのが。バヌアツとかトンガはやっぱり標高がなかったんですよね、10m。隣も25mで低いやつ。海の隣でやってたもん。それはそれで面白かったけどね。


シグリ農園

山本(M) それで、エマさんとこ行って、ポールとかレピさんとかと話した後に、マウントハーゲンのホテル行って、その次の日がシグリ農園。

山本(U) 言わずと知れたシグリですよ、

大農園でしたね。

山本(M) 僕が本当に一番最初にスペシャルティコーヒーに出会った時に、パプアニューギニアでそれがシグリだったと思うんですよ。シグリに来たみたいな、あんまり感動せんかなと思ったんですけど、結構感動しました。前に行った2つの農園とは全然違うなって。

楽しそうな感じがあって、スタッフもみんないい人で。自由な、明るい、消費設備もすごい整ってるし、

山本(M) しっかりシステムが動いてるんだろうなって思うんやけど、みんな楽しそうに働いてた感じがあったよね。

山本(M) その話とかもしながら言ってたら、山本(U)さんがまた、インド人、そこのマネージャーの人はインド人だったんですけど、インドの方はそういうふうに仕組みをつくるのがとっても上手なんだ、っていうような話を絡めてきて。そんなことまで知ってんのか、山本と。

さらにラオスの本で深めてるからな、どこまで深めんねん。


ボルカフェとの交流

山本(M) 今回はその前に、ボルカフェのオフィスとドライミルも見せてもらったんですけど。今回の朝ちょっとお別れしてきたんですけど、研修でボルカフェの若い職員の方が一緒に付き合ってくれてて、その方も刺激的でしたけどね。一緒にカッピングとかしてくれたりして、新入社員的な感じで前のめりにコーヒーのこと勉強してるような感じで、

めっちゃ勉強頑張ってました。最後の日に山本(U)さんを捕まえて質問攻めにしてたけどな。

山本(M) よかったですよね。ボルカフェの人もすっごい優しくしてくれて。

山本(U) ボルカフェPNGは40年選手、30年選手みたいな。そこもインド人の方なんですよね。無秩序から秩序を作り出すのがうまい。中国人もうまいけど、中国人の場合は固まって、みんなでやってる。インドの場合はインド人で固まるとかじゃなくても、その土地をちゃんと利用するとか、人と一緒に仲良くやっていくみたいなのがうまい。

シグリのマネージャーも農園のなかに住んでたもんね、郊外のいい家に住んでるわけじゃなくて。

山本(M) シグリもめっちゃでかかったもんな、農園自体。あそこはよかったよね、森とまではいかんけど、高い木があってシェードもあって。

その下にめっちゃ整然とコーヒーがなってて、設備もほんとすごかったですね、綺麗だったし。エマさんのところも思ったけど、整理整頓というか清潔な、あんまり汚くない、すごい綺麗な様子。そういうところで働かれてる人ってちょっと雰囲気が変わるというか、明るかったですね。


経営形態のちがい

山本(M) それぞれ本当に違うなって感じですよね。

山本(U) 最初の農園が、ある意味個人経営でやってる農園。次のところが村で経営してる農園。もう1つがソーシャルエンタープライズで経営している農園、社会的企業。最後がプライベート、まぁ大手ですよね、大きな会社として経営している農園みたいな。その違いが全部あった感じですね。

多様な経営形態ね。

山本(M) これってパプアニューギニアだから?それとも、どの国に行ってもこういう感じなんですか?

山本(U) パプアニューギニアはここだと基本的に全部見れますよね。東ティモールやったら植生的には東ティモールとすごい似てて、大きな木があって、アルビジア。その下にコーヒー、もしくはカンチュアリーナみたいな形のやつの下にコーヒーがある、というのは変わらないけど、東ティモールの場合は大農園ってないんですよね、基本的に。もう小農家が育てているみたいなのが東ティモールなんですけど。パプアニューギニアの場合はもう大きい企業がパンパンと入っているから、そこを中心にいろんな農園形態が出来上がるんですよ。小農家のままやる人もいれば、もうちょっと儲けようっていうんで村で固まろうぜみたいな。そこから出て、社会的にちゃんとインパクトのあるようなことをやっていこうとか、産地還元性がある形態でやっていこうみたいな人が出てきたり。じゃなくて、もう品質特化でやっていくねん俺は、みたいな人がいたり。この無秩序のなかで秩序を作るのは難しいから、もう自分たちで土地を買って、もしくはリースで管理も全部自分たちでやろうみたいな、そんな企業的な能力があったりっていう。いろんな形態が出てくる。

それって大きい企業が入るっていうのは、それだけの生産量があるみたいな。国のコントロールが効かないぐらいの脆弱性みたいなのを持ってるみたいな。

山本(U) これがコロンビアの場合だと、基本的にコロンビアは国のコントロール下にあるから、どうしても難しいですよね。大手が入っているのは一緒なんですけど。最初、生産者組合しか作れないみたいな。生産者組合のメンバーたちが作ったコーヒー、パーチメントを生産者組合に持っていって、それを輸出会社が買って、ドライミルが持って輸出するみたいな流れが基本的に決まっちゃって。それがちょっと変わってきたけど最近。それが、パプアニューギニアの場合はもう最終的に800民族に分散するみたいな。みんな無秩序で言語も通じません、戦いばっかりやってます、土地問題で大体揉めてます、だからルールがルールとして通用しないっていう。でもコーヒーはお金が大事だしっていうので回り始めるっていう。だから、あえてコントロールできない状態のほうが実はコーヒー産業っていろいろ広がるんちゃうかなっていう。

面白いエピソード的なあれですよ。子供がお小遣い欲しくなったら、コーヒーチェリーを取って、エマさんとこ持ってって、お金もらって買い物するっていうね。

山本(M) 学校でお金いるってなった時に、コーヒーチェリー取って持っていくみたいな。

可愛いみたいな。

山本(M) めっちゃいいな。それも受け入れるんやな。

そうそう、買ってあげるっていうね。そういうのがいいじゃないですか。


産地に行くこと、コーヒーの語り方の意味

山本(M) 本当に、これって、正直マッドマンとかもそうだったけど、やっぱり実際にこう見とかないとなかなか感じれないんですよね。エマさんとかも、実際に会って話したから、結構グッとくるじゃないですか。それをこう売りたいなと思うし、伝えたいなって思うっていうのは、やっぱラッキーだなっていう。自分たちがこういうところに来れるっていうのが。だからこそ、パプアニューギニアとかも、ネパールの時もそうだったけど、きちんと丁寧に売っていきたいなっていうのは、1個ずつできていく感じがするよね。東ティモールもそうだったけど。

日本に行くと普通にカッピングで買う。美味しいのも大事なんで品質で選ぶっていうのが主になって。でも、こうやって来て、いろいろ感じるものがあって。品質ではない部分でもすごく、このコーヒーを紹介したいなって本当に思えたりする。だから、来ないとね。

山本(U) コーヒーの語り方と売り方ですよね。品質を語るみたいなのが基本的に一般的だけど、実は違う語り方もあるっていう。そこにリアリティを持たせるって、やっぱりそれなりに現地で誰かを知ってるとか、聞いたことがあるとか、そういったところがないとライブ感とかグルーヴ感みたいなのが伝わりにくかったりする。ただ産地に来たら来たで、何もわからずに見ても漫然と見るだけだから、多分産地の見方みたいなのがあるんだと思うんですよね。やっぱりそこに翻訳者みたいな人が必要になってきて、「これはこういう風に読み取るといいよ」みたいな。そういうのを理解して、実際に商売するロースターが増えてくると、また変わってくるのかなって。

だからヒロ山本ツアー。コーヒー業界にはちょっと必要かもね(笑)。

山本(M) こんな嫌われてんのに(笑)。

あんまり余計なこと言わない(笑)。なんかちょっと深め方が違うやん。

山本(M) ほんまにこれすごいな。一緒に行かないとなかなか伝わらんからなんとも言えないんやけど、行ってほしいよな。

ヒロ山本ツアー、貴重やと。

山本(M) まあ、ここだけの話ね。僕たちこれからそういうのもやっていこうとしてるからな。

山本(U) 言っちゃっていいんですか。

山本(M) もちろん言っちゃいます。僕らやっぱり、パプアニューギニア、アジアというにはちょっとオセアニア感があるというか、少し離れてはいるんですけど、もともと東ティモール、台湾に行って、アジアのコーヒーっていうのにすごく関心があって、そこをもうちょっと深めればなということで。東さんは、広島の福山に東コーヒー店っていう、皆さんご存知だと思うんですけど、アジアのコーヒーだけを扱ってるコーヒー屋をやっておりまして。そこを中心に、アジアのコーヒーのロースターの人たちとちょっとパートナー関係を作って、アジアのコーヒーロースターの仲間を作りながら、そこでいろんなカルチャーの交換をしながら、それをアジアの産地までつなげていけるんじゃないかっていう、この一大ビッグプロジェクトを、今朝サンドイッチ食べながら話しました。

本当にこれがもう、飛行機を降りた後は、ちょっとしんどいな。

山本(M) これは、じっくり育てていくっていうことで。

山本(M) 10年前からね。10年前に一緒に台湾行って、そのあと東ティモール連れてってくれて。その時、山本(U)さんはもうどこの馬の骨かも分からないような。流しのコーヒー栽培技師のような、その職業の名前もついてないようなことやってた時期にね、当時に東さんはすでに10年選手はやってて、俺はもう本当まだ2年ぐらいすんねんみたいな。出るかやめるかみたいな。どうしようみたいな感じで言ってたのが10年経ちまして。そこで立ち上げたシャンドンコーヒーが、ようやく今、新しいプロジェクトとして始まるんじゃないかっていうことでね。そのプロジェクト名を教えてくださいよ、東さん。

次回にまた公表しましょう。

山本(M) ゆっくり、そういうのもやっていけたらなっていうことでね。楽しみです。いいですね。

山本(U) 10年経つとガツガツしないで。本当にちゃんと自分たちのペースっていうのはわかってくるから。

山本(M) 本当に危うく俺ちょっと息切れかけたけど、「待て待て、しんどくなるだけだぞ」って。1回飛行機乗ったらわかったな。のんびりやって、ほんまにこれだってずっとできることかもしれんしな。アジアのコーヒーってそれぐらい楽しそうだな。

アジアのコーヒーに触れて、アジアのコーヒー伝えていこうっていうのは面白いですね。

山本(M) 本当面白い。

ちょっと気持ちが入りますよね。

山本(M) こういう旅先でそういう発想が出てくるっていうね、よかったですね。

やっぱりさすが。本当このシャンドンチームの奇跡、素晴らしい。

山本(M) これは楽しみですよ。

山本(U) チームに入りたいっていう人はどうしたらいいんですか。

山本(M) もういったん東コーヒー店に行ってください。今回のヘッドクォーターなわけですね。頭なんでね。アジアのコーヒーってどういうものなのかっていうのを、自分たちがやりたいことは、たぶん東珈琲店がやってることをもうちょっと広げていきたいっていうことかなと思ってるんで。

店頭には今、シャンドンチームのキャプテンが。中村氏がね。

山本(M) 中村氏を、ぜひ見てもらいたいですね。みんなでやっていけるんじゃないか。

クロージング

山本(M) いやしかし、よかったですね。今回のパプアニューギニア、とてもよかったと思います。改めてエマさんのコーヒーも含めて、いろんなところのコーヒーが入ってきた時に、一緒にイベントできればなと。その時はさっき言ってたアジアのコーヒーのイベントになるのかなと思うので、それを楽しみに待っといてもらったらなと思います。このメンバーでお届けしたいと思いますので。

一同 ありがとうございました!


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