カフェやコーヒーショップを運営するにあたって、グラインダーは味わいだけでなく、オペレーションにも関わる重要なアイテムです。
今回紹介するのは、カリタの「ハイカットミル」シリーズ。コーヒー屋さんを訪ねていれば一度は目にしたことがあるはずの、言わずと知れた名品です。
定番の「ハイカットミル」と後継モデルである「ハイカットG」の2機種について、スペック・デザインの比較から実測データに基づく粒度分布検証、日々のメンテナンス性まで徹底解説していきます!
ハイカットミルとハイカットGのスペック比較
刃の特徴
まずは要のパーツである刃について。ハイカットシリーズはどちらのモデルも形状・素材ともに同じ刃になっています。
形状は、豆をすり潰すように粉砕する「グラインド刃」を採用しています。摩擦熱が発生しにくく香りが飛びにくいのが特徴です。刃の素材はクロムモリブデン鋼。非常に硬い素材で耐摩耗性が高く、切れ味が長く保たれるのが嬉しいポイントです。
中挽きで1分あたり500gを挽くことができ、強さとスピードを兼ね備えています。
粒度分布検証データ分析
グラインダーの性能を客観的に評価するため、細挽き・中挽き・粗挽きにおける粒度分布(1100μm, 800μm, 500μm, 300μm)の測定実験を実施しました。

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データからみる均質性と挽き目の傾向
ハイカットGの方が、それぞれの挽き目でどの粒度帯が一番多いのかの「山」が明確に見られました。明確に山ができるほど、狙った粒度帯に粉のサイズが集まっているという指標になります。
細挽きのデータで比較をすると、ハイカットGの方がより粒度が小さいほうにピークがきており、より細かい粉砕がされているようです。一方その分、300μm以下の割合もハイカットミルよりは高く、実際に挽いてみたときの粉を見てもダマっぽい印象がありました。
刃の構造は両モデルとも同一ですが、ナイスカットGのほうが若干ディスクサイズ(刃の直径)が大きいため、粒度分布の結果に多少の影響を与えている可能性もあります。
とはいえ、おおまかには同じ分布傾向を示しており、挽いた粉の見た目からも、粉砕のスペック自体に大きな差異はないといえそうです。
味わいの傾向
中挽き(ダイヤル4)で挽いた粉で実際に抽出をして味わいの傾向も確認しました。
使用した豆は中煎りのグアテマラ ウォッシュ。HARIO V60で抽出を行いました。
ナイスカットは、甘さが味の中核にありながらやわらかな酸味も感じられました。ボディもしっかりありバランスの取れた味わいです。
ナイスカットGも、味わいの傾向は大きく変わらずですが、より甘さが明確に感じられました。後味の残り方もナイスカットよりは長い印象で、これは若干の微粉量の差によって生まれた違いと推測します。淹れ方によっては雑味が出やすくなるとも捉えられるでしょう。
※味わいについては、抽出条件や使う豆によっても大きく変動します。同じグラインダーを使えば、同じ味わい傾向になると断定するものではありません。
ちなみに
この2台はどちらもグラインド刃ですが、カット刃のグラインダーと挽いた粉の様子を比較すると、特徴がわかりやすくなります。
カット刃との違いは下表と画像を参考にしてみてください。
| グラインド刃 | カット刃 | |
|---|---|---|
| 刃の形状 | ディスクに突起がついた形状 | ディスクに鋭利な溝がある形状 |
| 粒の形状 | すり潰すように粉砕するため、丸みがでる。 | 切り刻むように粉砕するため、 シャープな切り口になる。 |
| 味わいの傾向 | 粉の表面積が広くなり、全体的に味が出やすい。 バランスの取れた味わいになる。 | 粉の表面積がグラインド刃と比較して小さいため、 抽出されやすい酸味が目立ちやすくなる。 |

メンテナンス性
どちらのモデルも、マイナスドライバー一本で分解清掃できるシンプルな構造です。グラインド刃の多数の突起の隙間に挽き切れなかった豆が挟まることもあるので、月に一回程度はフロントカバーを外して清掃するのがおすすめです。
スタッフが試してみましたが、一人でも容易に分解して戻すことができました。ねじなど細かな部品が複数あるので、なくさないように注意です。
デザインと設置スペース
この二つのモデルを比較する際に、最も異なるポイントはデザイン面です。
ハイカットミルは、なんといってもそのクラシカルで重厚感のあるデザインが特徴。これが一台あるだけで、レトロな印象を演出してくれます。
設置スペースとしては、ヨコ型の方が幅広ですが高さは低く、タテ型の方は高さがある分、幅はスリムになっています。
大量に豆を挽いて袋詰めしたり、ブリュワーにセットする作業が多いお店には、タテ型の受け缶が扱いやすいと思います。ヨコ型の場合は、受け缶の排出口に傾けると開くフタがついており、挽いた粉を少しずつ量りながらドリッパーに移す、という使い方に向いています。
ハイカットGは、タテ型タイプのみですが、ハイカットミルよりもカラーバリエーションが増えています。光沢のあるシルバーや、シックなマットブラック、ツヤ感のあるブラウンの3種類。お店の雰囲気に合わせてコーディネートできるのがポイントです。サイズはハイカットミルのタテ型と同一なので、好みのデザインで選んでみてください。




まとめ・おすすめのモデル選び
そんなわけでハイカットシリーズ2モデル、こんな方におすすめ!をまとめてみます。
- 豆を挽いての販売をしており、1日に挽く豆の量が多い方
- その日のカフェ営業に使う豆をまとめて挽いておきたい方
- 存在感・重厚感のあるグラインダーがほしい方
その中でも、レトロ・クラシカルな見た目が好みの方はハイカットミルを。スタイリッシュでお店の雰囲気に似合う色を探したい方はハイカットミルGから選ぶのがおすすめです!
ちなみに、こういう場合はハイカットではないかも...というポイントもまとめると...
- グラインダーを外に持ち出したり、移動させたい
- エスプレッソ用の挽き目にできるものを探している
- 静音性の高いものがほしい
こんな場合は別のアイテムを検討することをおすすめします。
どれがいいんだろう?とお困りの場合はぜひお気軽にお問い合わせください!
