こんにちは!海ノ向こうコーヒーの舛田です。
今回は、インドネシアのコーヒーのお話です。
インドネシアは、ブラジル、ベトナムに次いで、世界第3位の生産量(FAO, 2018年)をほこるコーヒーの産地です。
インドネシアのコーヒーといえば、「マンデリン」や「トラジャ」、「ルアックコーヒー(コピルアック)」といったコーヒーを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
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インドネシア バリ島のコーヒー
インドネシアの有名な観光地、バリ島。
この島でも、コーヒーが作られています。
人気の観光地ウブドからほど近い、「キンタマーニ高原」。少し標高の高いエリアで、多くのコーヒーが栽培されています。
バリの景勝地として知られるこの場所には、バトゥール湖やバトゥール山をはじめ、多くの山々や湖などの自然、そしてコーヒーの農園が広がります。
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ボン村から
私が訪れたのは、キンタマーニ高原から少し離れた、プラガにあるボン村。
地元の人たちが「聖なる山」と呼ぶチャトゥール山のふもとの小さな村です。
ボン村でコーヒー農家さんをまとめるのは、スラマットさん。
(インドネシア語で、〜さんの意味の「Pak」をつけて、パック=スラマットと呼んでいます。)
もともと、大きなコーヒーの精製場のマネージャーとして働いていた彼は、自分の理想のコーヒーをつくろうと、地元のこの村で家族と一緒にコーヒーづくりをはじめました。
地元のフルーツなどから作った”天然酵母”が、彼の一番のこだわりです。
そのレシピは、「秘密」とのこと。
おいしいコーヒーをつくるために、日々、実験を繰り返しています。
品種は、アロブと呼ばれるカティモール系の単一品種に絞って栽培されています。
ティピカやブルボン、カトゥアイなどいろいろな品種を試したなかで、風味がよく、収穫量も確保できる品種を選んだそうです。
なぜそんなにこだわりを持って頑張れるのだろう?
パック=スラマットにお話を聞いてみることにしました。
パック=スラマットが、コーヒーをはじめたのはなぜですか?
インドネシアにとって、コーヒー栽培はオランダ植民地時代の遺産であり、バリのコーヒーもその品質の高さで有名です。今後もコーヒー栽培を残しながら、精製による品質の向上に取り組みつづけなければならないと思っています。私は、バリコーヒーを「スペシャルティコーヒー」にすべく、さまざまな実験に挑戦しています。それが、私がコーヒーづくりに一生懸命取り組む理由です。
コーヒーづくりで大変なことは何ですか?
1番大変なのは、品質保持です。常に農園を整頓し、栽培環境を良好で菌のいない状態に保つことはとても大変です。私たちは、化学物質の使用も避けています。
次に、おいしいコーヒーをつくるのに優れた品種の種を選定も大変な作業かと思います。種の形も含めて判断をします。
「本物」の高品質なコーヒーをつくるために、他の農家や生産者グループと普段から協力し合い、ともに成長していけたらと思っています。
最大の課題…
私たちには足りない部分が本当にたくさんあります。
設備や機械など、どれをとってもかなり制約があるのが現状です。
それでも、コーヒーの栽培や品種選定については、うまくできている部分もあると思います。
有機農法を実践したり、発酵時間や酵母などその他多くの実験を実践したり…。
たくさんの日本のコーヒー専門家たちも私たちの農園を訪れ、アドバイスをくれます。
日本のみなさんへメッセージをください!
日本のすべてのコーヒー専門家とコーヒー好きの方々へメッセージを伝えたいです。
私たちの課題や足りない部分をぜひ教えてください。どれが良質なコーヒーで、次に必要なステップは何なのかを知ることができるように、私たちを導いてほしいのです。
そして、ボン村の全農家を代表して、日本から来てくれる多くのコーヒー専門家たちに感謝の気持ちを伝えたいです。特に、私たちのコーヒーを広めようと熱心に活動してくれているユキに感謝したいです。彼女たちのような人がいてくれることを本当にうれしく思います。このような関係が今後も続いていくことを願っています。
(▶︎ユキさんについては、こちらの記事で。)
設備が不足している部分もありますが、こだわりを持ってコーヒーを精製をしていると自信を持ってみなさんに伝えることができます。
私たちを、私たちのコーヒーを、信じてくれてありがとう。
バリのコーヒーが、日本、そして世界中の人が知っているようなコーヒーになることを、心から願っています。
バリのコーヒーを、世界中の人が飲んでくれるようなコーヒーにしたい。
そんなパック=スラマットの強い思いに感激しました。
もっと品質の高い、おいしいコーヒーを…と実験を繰り返し、日々奮闘する彼をこれからも応援しつづけたいです。
そして、日本のみなさんに届けるお手伝いができることをとても嬉しく思います。
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バリの湧水コーヒー
海ノ向こうコーヒーでは、ボン村のコーヒーを、「バリの湧水コーヒー」と名付けています。
バリの豊かな自然、聖なる山からの恵みの湧き水。
そんな風景を思い浮かべながら、飲んでみていただきたいです。
しばらくお休みしていたのですが、この冬にコーヒーが日本に届いたので販売を再開することにしました。
以前のバリの湧水コーヒーを飲んでくださっていた方は、味が変わったように思うかもしれません。
コーヒーも野菜と同じ農作物なので、自然環境によって風味も変わります。
実は、それによってコーヒーの焙煎も変えることもあります。
今回は、オレンジのような酸味とココナッツのようなまろやかな甘みを引き立たせるような焙煎の仕方を考えました。
以前のものよりも、深めに焼きつつも、すっきりとした後味になるように焙煎してみました。
「オレンジ」「ココナッツ」の風味を探しながら飲んでみてください。
バリの農家さんの思いが詰まった、コーヒー。
ぜひ一杯いかがですか?
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