バリのコーヒーを入荷しました!

Selamat!
産地担当の安田です。

ついに、バリのコーヒーが入荷しました!
いろんな苦労を乗り越え、なんとか到着してくれました…よかった。

<神々の島バリ。聖なる山のふもとボン村から。>

観光スポットとして有名なウブドから、車でさらに北へ走った先、地元の人たちが聖なる山と呼ぶチャトゥール山のふもとに、プラガと呼ばれる地域があります。
その中のさらに小さな村、ボン村から、このコーヒーたちはやってきました。

聖なる山からの恵みの湧き水で、水は豊かでとても綺麗。
農家さんたちもこの水に誇りをもっているようで、産地を訪問させてもらった時には、いろんな湧き水スポットに連れて行ってくれました。(ただこの湧き水巡り、わりと険しい道のりなのですが…。)

コーヒーの精製には、たくさんの水を使います。
水が綺麗であればあるほどクリーンに。さらに発酵も、余分な菌たちに邪魔されず、安定させることができます。

<パック=スラマットの挑戦。天然酵母とテロワール>

ボン村のコーヒー農家さんたちをまとめるのは、パック=スラマットさん。
もともと、大きなコーヒーの精製場のマネージャーとしても働いていた彼は、自分の理想のコーヒーをつくろうと、
地元で、家族と一緒に。周りの農家さんたちも少しずつ巻き込みながらコーヒーづくりに取り組んでいます。

彼の作るコーヒーこだわりポイントはたくさんありますが、何よりも僕が惹かれているのは、彼の秘伝の”天然酵母”。地元のフルーツ、たしかバナナ、パパイヤ、マンゴーなどのトロピカルフルーツ由来の天然酵母をつくっています。(詳しいレシピは、僕も教えてもらえません…)
その影響あってか、南国のフルーツをおもわせる、ジューシーな酸味とまろやかな甘みが感じられます。

ボン村のコーヒー農園では基本的に、循環型の無農薬栽培が実践されています。
豊かな草を食べて牛が育ち、牛糞から堆肥をつくりコーヒーが育つ。収穫されたコーヒーや、他の果実の皮などもまた堆肥化して土に戻していきます。

品種は、地元で”アロブ”と呼ばれているカティモール系の単一品種に絞って栽培されています。
ティピカやブルボン、カトゥアイ。その他のカティモール系の品種などとも比較しいろんな品種を試した中で、風味と収量のバランスをみて決めました。

<華やかなバリの裏側。ユキさんとコーヒーと、Munti Gunungの人々。>

バリの華やかなイメージとは裏腹に、一部地域ではまだまだ貧しい生活は続いています。
山を一つ二つと超えて、物乞いにやってくる人たちもいます。

そんな彼らをサポートしていこうという動きもあります。

パック=スラマットさんと一緒にコーヒーづくりに取り組むのは、大西雄季(おおにしゆき)さん。
もともとは観光業でバリにきていたユキさんですが、スミニャックという地域で自家焙煎のコーヒー屋さんを始め、こだわりだすと止まらないユキさんは、農園にまで携わるように。

さらには、コーヒーだけでなく、そのさらに奥地でカシューナッツなどの製造に取り組むNGOのサポートをしています。
一つ一つ丁寧に手剥き。ちょっとカタチはイビツになりがちですが、品質の高い商品を作られています。
今は、売り切れてしまってますが、海ノ向こうコーヒーでも近日中に取り扱い再開予定です。

ゆきさんと、NGO代表のダニエルさん

<いろんな準備が整いつつあります。次の夏、一緒にバリにいきませんか。>

今年は、初めての輸入なので、420kgととても少量の輸入でした。
でもいろいろ大変でした…書類の不備があったり、袋を縫うミシンが壊れて手縫いしてくれたり、祝日で全く動かなくなってしまったり…

でもやっと。今年分は輸入することができました。
現地ですべて輸送の手配もしてくださったユキさんには感謝しかありません……。

次の夏には、みなさん一緒にバリにいきませんか。
近所で、大きな精製場を借りることができるようになりそうで、
一緒につくりたいと言ってくださる農家さんも増えてきているので、来年はもっとたくさん作れそうです。

今は手作り乾燥棚でなんとか。霧がとても濃いので、乾燥に時間がかかってしまうのが課題でした。

来年は、通気性も確保された、ビニールハウスで乾燥させることができます。

産地の様子を、楽しみながら見ていただけるように、ジャワ島伝統建築の古民家を移築した宿泊設備も整っています。

「いつでも変わらない味」も素晴らしいですが、ボン村のコーヒーは、変化し続ける楽しさを感じてもらえるようなコーヒーにしていきたい、と考えています。

水や土などの自然の力を借り、さらに地元フルーツなどからとれた天然酵母で、現地特有の風味=テロワールを引き立たせる。
来年の気候条件などが変われば、影響を受けて風味も変わっていくでしょう。
拡大成長していく中でも、その農産物としてのブレを楽しむことを忘れないようにしたい。

このコーヒーには、自然と共に生きるバリの人たちの思いが詰まっています。