グァテマラのオーロラ農園が取り組んでいる「オーロラ スタジオ プロジェクト」。現地からその活動の様子をまとめた動画が届きました。記事の最後に動画をアップしておりますので、グァテマラ・コバンの様子をおたのしみください。
中米の国、グアテマラ。日本でも昔から、ブラジルやエチオピア、コロンビアなどに並んで親しまれてきたコーヒーの生産地のひとつです。アンティグアやウエウエテナンゴが有名な産地として知られています。
グァテマラコーヒーの品質向上やマーケット拡大に取り組んでいるグァテマラコーヒー協会、通称Anacafé(アナカフェ)では、8つの地域をグァテマラのブランド産地としています。
海ノ向こうコーヒーのグァテマラのパートナー、オーロラ農園があるのは、コバンというエリア。グァテマラの中部、アルタ・ベラパス県に位置します。首都のグァテマラシティからは車で4~5時間ほどの距離です。
コバンはもともとマヤ文明にゆかりのある地域、先住民のインディアンの族長だったコバオウの名前をとって1538年に誕生した町です。その後グァテマラ北部の中心地として発展し、17世紀頃に建てられた教会の姿を今でも目にすることができます。19世紀末頃になると、コバンはドイツ人の入植者たちの拠点になりました。この地にコーヒー栽培を伝えたのは、こうした入植者たちだったと言われています。
コバンは山々に囲まれた盆地。そこにカリブ海からの温暖で湿った空気が流れ込むため、年中霧が多い町としても知られています。熱帯雨林がいまだ手つかずの状態で残っています。コバンの観光地やハイキング先として親しまれているラスビクトリアス国立公園。現在、蘭の保護区としての機能も果たしているこの国立公園は、かつてドイツ人の所有していた広大なコーヒー農園だったといいます。
また、コバンには固有種を含む179種類の鳥類が存在し、まさに鳥の楽園です。そんなコバンの地域住民に大切に保護されているのが「クビワキヌバネドリ」。赤い色をしたお腹に、白と黒のボーダーラインのシッポ、とても綺麗で色鮮やかな鳥です。現地では「オーロラ」と親しみを込めて呼ばれています。海ノ向こうコーヒーのパートナー、オーロラ農園の名前もここに由来し、鳥や草花など自然環境を守りながら、コーヒー栽培が行われています。
手つかずの自然が多く残るコバンには、先住民の人びとが多く住んでいます。標高も高く、朝晩の冷え込みもある地域。電気や水道などのインフラも十分ではありません。トタン一枚の壁と屋根で雨風をしのぎ、床はなく地面はむき出し。そんな環境で生活をする人々も多く存在し、グァテマラの中でも再貧困地域とされています。
そんなコバンでオーロラ農園を営む、アルドさん一家。
「コーヒー生産を通じて社会に地域社会に貢献していこう。人々がよりよい生活を送れるようにしていこう。」
そうやって立ち上がったのが、「オーロラスタジオ」というプロジェクトです。
コバンの土地から貧困をなくしていくため、売り上げの一部をコーヒーの生産に必要な水のフィルターやソーラーパネル、ストーブなどの設置に充て、農家さんへの公平な還元を行っています。この地を愛し、隣人を助けたいというアルドさん一家の想いのつまったプロジェクトです。
そんなオーロラスタジオプロジェクトの活動の様子をまとめた動画が、現地から届きました。みなさんともコバンの様子、オーロラ農園の取り組みを共有したいと思います。