
今回のスピーカー

海ノ向こうコーヒー
生豆営業担当
藤原
滋賀県出身。通称まりおさん。 海ノ向こうコーヒー最古参のスタッフで、「おかん」ぽいと言われる。 東京在住ながら、ポッドキャストでは誰よりも流暢な関西弁を喋る。 コーヒーのソムリエとも言える、Qグレーダー保持者。

海ノ向こうコーヒー
生豆営業担当
矢野
大阪出身。全国のロースターへ、親しみと温かさを持って的確な提案と生豆を届けるコーヒーマン。社内ではボケもツッコミもこなし、いじられ役も買って出るムードメーカー。気遣いと関西らしいユーモアを併せ持つが、実は根はド真面目。タイ・韓国への出没多め。

海ノ向こうコーヒー
輸出入・品質管理担当
宮﨑
長崎出身。仕入れに関わる業務全般を担当。産地でのワークショップやプレゼンなど、弾丸の海外出張もこなすトリリンガル。イラストが得意で、麻袋やステッカーのデザインも手がける器用さの持ち主。しっかり者な一方で、ブラックユーモアが大好き。ボソッと面白いことをつぶやく。
藤原:ポッドキャスト始めます!今日は101回目です。ということでパチパチパチ~記念すべき101回目。今日は3人でお届けします。宮﨑さんと、あとは珍しいお久しぶりの…
矢野:はい。矢野です!
藤原:ほんと久しぶりですよね、矢野さん。
矢野:ご無沙汰しております~矢野です。これ101回もやってんですね。
藤原:嬉しいです。そうなんですよ。
矢野:すごいですね。
藤原:そうなんです。矢野さん、いつぶり?
矢野:覚えてないです。笑 多分、70何回とかじゃない?
藤原:覚えてる?さやちゃん。
宮﨑:74回ぐらい?
矢野:いや、でもあれよ。コネクト タイの時とかも出てたりするんですよ、実は。
藤原:たまに参加するっていう感じね。みなさん、これでもうお分かりですね。今回はタイのお話をします!では、よろしくお願いします。
矢野、宮﨑:よろしくお願いします。
藤原:2人で行かれたんですもんね。いつから何日ぐらい行ってたんでしょうか?
宮﨑:2月の20日ぐらいから23日まで、4日間ぐらいですね。タイにおりました。ちょっと弾丸でしたけど。
藤原:ですよね。3連休プラスアルファぐらいですよね。
矢野:そうですね。めっちゃ濃かったですね。
藤原:今回はどういう目的で、どの辺に行かれたんですか?
矢野:目的としては、毎年タイを輸入しているし、どんどん品質も上がってきていて、もっといろんな人に知ってもらいたいなと思っていたので、そういうための仕入れであったりだとか、あとは自分たちの会社の中でのタイの今の現状の情報のアップデートですね。それが主な目的で行ってます。
藤原:ビーンスパイアのフアディさんのところに今回も行きました?
矢野:あ、そうそう。フアディさんにお願いして、基本的にアテンドというか、全部計画とかも立ててもらって、北部のチェンライまで飛んで、そこからチェンマイに降りていって、農園を回ったりとかで、途中ビーンスパイアの加工も寄ったりとか。どれぐらいの農家さん行ったんでしたっけ?
宮﨑:えっと、そうですね。海ノ向こうコーヒーで取り扱っている農家さん、今回8件ぐらい、加えてビーンスパイアのドライミルがあるのでそこも訪問して、ちょっと新しい農園さんを見たりもしてきました。かなり満足の旅でした。
藤原:なるほど。
宮﨑:朝7時ぐらいから農園行って、戻ってきたらもう真っ暗で、そこから今度カッピングを夜の9時ぐらいからし始めるっていう。夜にカッピングするのが当たり前なんですか?みたいな。
矢野:いや、そんなことはない。結果的にこうなっただけです。
宮﨑:フアディさんがサンプルロースターを持ち歩いてるんですよ。農園行くたびにサンプルもらって、その場で焙煎してカップするみたいな毎日でした。
藤原:すごいですね。
矢野:本当に持ち歩いてるんです。ikawaをキャリーケースに入れて。
藤原:いい経験ですよね。農園行ってすぐに味がその日の晩に分かるっていうのは。
矢野:そうですね。
藤原:今回、ナーウィンさんのところに行かれたんですかね。
矢野:そうです。チェンライのナーウィンさんですね。僕と同じ、今年で38歳。こちらが勝手に親近感を持ったんですけど、何かよく分からない日本人が来たなぐらいで温度感が違いました。笑
藤原:笑。

宮﨑:ドイチャン村で加工場を運営していて、自分でも農園を持ちながら周辺農家からチェリーを買って加工している方ですね。結構規模も大きかったです。
藤原:なるほど。
宮﨑:収穫期はほぼ終わりかけでしたけど、最後のチェリーの状態も見れました。
藤原:Qプロセスの講習で学ばれたり、品質向上への意欲が高い方なんですよね。
矢野:そうですね。品質をいかにあげるか考えているとのことでした。実際に、品質も上がってきていましたね。フアディさんからも、引き合いも強まっていて、タイ国内でも人気があるとのことでした。
藤原:いいですね。
宮﨑:周辺農家さん20件ぐらいからチェリーを集めて加工する、その土地の農家さんのブレンドをつくったりもされていて。クリーンカップでとても良かったです。酸の質もよかった。特殊発酵にも力入れてるけど、ウォッシュが美味しかったですね。
藤原:タイ コネクトで過去に紹介している農家さんで人気ですものね。今年も何らかの形でご紹介するのでぜひお楽しみに
藤原:次、訪問されたのは同じくドイチャン村のシリンヤコーヒーですね。
矢野:はい。スーポンさん。カフェもやっていて、15kgの焙煎機もあります。Qプロセスのアドバンスのライセンスも保有されていますね。

藤原:規模大きいんですよね。
矢野:フアチャン(ゾウの頭)と呼ばれる山が一望できる場所に、結構広いアフリカンベッドやコーヒーを保管する倉庫もありますね。ハリングやカラーソーターもありましたね。
宮﨑:思ってたより大きかったです。75軒ぐらいの周辺農家からチェリーを集めてるそうです。
藤原: すごい。
矢野: 8割ぐらいはタイ国内流通ですね。
藤原: なるほど。生豆の流通だけではなく、カフェ経営もされているのもすごいですよね。
矢野: 農家さんから、2バーツほど少し高く買い取ることで信頼関係を築いてるのが印象的でした。
宮﨑: 農家さんがしっかり農園を管理しているかも見て、どの農園さんと付き合うかを判断してるっていうのをおっしゃってました。
矢野: マネジメント力がすごかったですね。
宮﨑:あと全体的にすごく綺麗でした。加工場も乾燥場も、保管する倉庫も整理がしっかりされていて。
藤原:次は、ヤヨコーヒーさんですね。ヤノコーヒーではなくね。初訪問だったんですよね。ピーさんとスーさん。

矢野:そうです。イースト菌を使った発酵など、かなり先進的な取り組みをされてました。大学の教授と連携して開発してるみたいです。
藤原:すごい。
矢野:あとロブスタも育ててましたね。
宮﨑:タイは基本はアラビカを育てるんですけど、ピーさんの故郷の近くでアラビカが環境的に育たないことがあり、ロブスタを育ててみようと考え、ロブスタの栽培を最近始められていました。
矢野:南部はロブスタ、北部はアラビカなので。北部でロブスタ育ててるのは本当に珍しい。
宮﨑:甘い香りがして美味しそうでした。面白いコーヒーが出てきそうで楽しみです。
矢野:あとカフェも素敵なんですよ。
宮﨑:景色も良くて、ブランコもあって。
藤原:ハイジみたいな感じで素敵ですね。 行ってみたい。
矢野:ワーキングスペースもあって、wifiもあります。
宮﨑:ヤヨコーヒーさんが生産されたコーヒーもそこで飲めます。
藤原:その後は、メーラークさんのところですね。

宮﨑:5人兄弟で加工業者でもあり、自分たちで農園も持っている。かなり大きいところですね。
矢野:そうです。チェリーの買い付けもしていて、地域の中心的な存在です。海ノ向こうコーヒーのドイパンコンもここで加工してくれていましたね
藤原:品種の取り組みもされてましたね。
矢野:ジャバとか新しい品種にも挑戦してました。
藤原:ただ課題もあると。
宮﨑:害虫ですね。幹の中に入り込んでコーヒーの木を枯らす虫がいるんですよね、ステムボーラーが結構深刻で。

藤原:対策は難しいんですか?
宮﨑:被害が出た木は伐採して、燃やす対処しかないので、なかなか大変ですね。木の本数が減ってしまう。
藤原:なるほど。
宮﨑:あと価格の問題もありますね。
矢野:品質を問わず、闇業者が高値で、オンキャッシュで買い付けていく。現金ですぐ支払うので農家にとっては魅力的なんですよね。
藤原:でも長期的には問題になる。
矢野:そうなんです。信頼関係が崩れてしまう。闇業者が買わないとなると、また買い付け先を農家さんは探さないといけなくなる。今年は特にこの手の話が多いとのことでした。となるので、高値で買い付けをしていく必要もあり。また為替の話もあって。よって価格があがる方向にならざるを得ない。
藤原:この闇業者の裏側として、マネーロンダリングの話もありましたね。
矢野:不正資金を、コーヒー取引で洗浄しているケースもあるとのことでした。
宮﨑:資金洗浄と言われるのですが、それにこのコーヒーが使われているという話ですね。ミャンマーやカンボジア、ラオスでもチェリーを高値で買い取る組織や、ウォッシングステーションを運営している場合もあるとの話も。昨年もあったのですが、今年になってさらに増えている。ナーウィンさんやスーポンさんも、買い負けをして高くて農家さんからチェリーが買えない実態もある。とこのドイチャンの地域では言われてましたね。
矢野:タイでコーヒーが美味しくて有名どころとしてドイチャンが知られているので、この地域のチェリーが買われていくようです。
宮﨑:今年はこの状況をどう生き抜くかが目標だと言ってました。
藤原:ただ高いだけではなく、こういう社会的背景があって価格が上がっているんですね。
矢野:そうですね。高いよね、でもその背景やより品質の良いものや状況を届けていきたいと思います。
宮﨑:全然関係ないんですけど…メーラクさんの畑でブヨに刺されて顔が腫れました。
藤原:顔の腫れはそれやったんか!(笑)。
宮﨑:めちゃくちゃ痒かったです。
藤原:大変でしたね。
矢野:ちなみに私は一切、刺されませんでした。複雑な気持ちです。笑
藤原:その違いはなんだろうか。笑 長い1日お疲れさまでした。
矢野:2日目以降だと、インスリットさんの農園も良かったですね。農薬化学肥料は使っていない農家さんで毎年扱っていますが、今年はさらに品質が上がってました。
藤原:楽しみ。要チェックですね。


インスリットさんのコーヒー
タイ ドイパンコン トンナム インスリットさん ケニアスタイル ウォッシュ
矢野:あとチェンマイのクンラオ村のジャルーンさん。すごくチャーミングな方でした。コーヒーブロッサムティも美味しかったし、自然と共存しながら農園を営まれてるんだな~と。
宮﨑:可愛いおじちゃんですものね、ジャルーンさん。
矢野:ブリックス計で糖度を測り、17度しかなくてすごく悔しがったりされていて。あれもこれも測りたくて、「矢野さん~!」って呼んでくれたけど「矢野さん=糖度計」だったことが印象的でしたね。 あ、俺じゃないんかって。笑
藤原:笑。こだわりの職人さんですね。
矢野:最終的に23度位が出て、ヤッホー!って喜んで、可愛らしい方でした。笑

宮﨑:自分で力を入れてる木には印をつけてるのも面白かったです。ピッカーさんではなく、これだけは自分で収穫したいから、つけてるそうです。笑
藤原:可愛い。チャーミングですね、愛も感じますね。
矢野:コーヒーもすごく美味しかったです。色々なハニーをつくってる。ただ量が少ないので希少ですね。
宮﨑:タイ国内のロースターさんの中でも有名な生産者さんで、タイ国内の需要も高いので、私たちに回って来るのは少ない量になりそうです。数量限定ですが、何とか買えそうです。
藤原:出会えたらラッキーですね。
矢野:その後、ヌイさんとアオイさんのところにも行きました。
藤原:2年前にも訪問したのに、覚えてもらえてなかったんですよね(笑)。
矢野:そうです。完全に忘れられてました。その時の写真も見せて「Do you remember me?」と聞いても「NO. NO~」。

藤原:片思い…一方通行でしたね。笑 社内でも、この矢野さんが覚えてもらえてなかった話が、タイの渡航記の中で一番面白いって話題でした。笑
宮﨑:生産量はすごく多くて、かなり忙しそうでした。だから矢野さんのことを忘れてしまったんだと思います。笑 アフリカンベッドでの乾燥が追い付かないぐらいの量でしたね。
矢野:農園も広くて。
宮﨑:山も所有されているんですよね。
矢野:熟練されたピッカーさんが効率的に収穫されているようです。
藤原:あとヨーグルト発酵もされてましたね。
矢野:実際にその工程も見せてもらいました。
藤原:ダイナミックな感じですね。
矢野:そうですね。嫌気性発酵などに力を入れていらっしゃいますね。
藤原:その日の夜はまたカッピング?印象的なカップありましたか?
矢野:パープラセンス。実が紫なんですよ。コスタリカでよく見る、ブルボンの突然変異と言われています。2年前もあって色んな意味で思ってた味とは違いました。
藤原:アラビカの甘さはあるんですか?
矢野、宮﨑:…笑。野性味が強い感じでしたね。はじめて飲んだ味でした。
藤原:印象的なことは伝わりました!笑
藤原:そしてレイジーマンですね。どんな印象でした?
宮﨑:ノンタオ村。一応チェンマイではあるんですけど、山奥にある地域。温かくて、スエさんの考え方に触れることができる訪問でしたね
矢野:自然と共存している感じですね。のどかで、無理をしない生き方。

宮﨑:伝統的にお米をつくってるんですけど、棚田があって。収穫後には牛を放って、循環型の農業をされていましたね。
藤原:レイジーマンって名前が印象的。スエさんたちは「レイジーマン」ってどんな意味でつけているかの話はありましたか?
矢野:直接的にレイジーマンの名づけの話をしたわけではなく、レイジーマンの生き方を教えてくれた感じですね。人間には32の魂があって~の話や、背伸びしない生き方を伝えてくれた感じですね。
藤原:「レイジーマン物語」という本があるのですが、そこにも一歩引く、流れに身を任せるといった考え方があり、いまの話に繋がるなと思いました。レイジーマンってなに?と聞かれたときに、良さをひと言で伝えることが難しいと思っていたので、実際に訪れた2人がどんな風に捉えたのかを聞きたいと思って質問をしていました。
矢野:今の日本の環境では真似したくても難しい生き方ですね。ものづくりなどに携わる方がインスピレーションを受けるために訪れ、じっくりものづくりをしていくには最適な場所としても有名なんだそうです。
宮﨑:豊かでした。自然と上手いこと共存していく。そこにコーヒーもあって、そのコーヒーが出来たら収穫して、収穫出来た分を加工して。自然を壊すほど無理にコーヒーを生産するわけではない。生産をはじめたときと今でもそこまで大きく変わっていない。自然の中でうまく共存しながらつくっている。
藤原:同じタイで、地域でもコーヒーに対してのアプローチが全然違いますね。
矢野:全く違いましたね。
宮﨑:最初に訪れたドイチャンはいかに生産してつくっていくかでしたけど。
矢野:別の国かなぐらいの感覚です。
藤原:どんな人たちがどんな思いでつくったコーヒーかをより届けたいですね。
矢野:どんな環境でつくられたコーヒーか想像してもらえたらと思います。
宮﨑:すごく心地の良い場所でした。風が通り、鳥がいて、放牧している牛が突然(矢野さんに向かって)モ~と声をあげたりする素敵なテラスでした。
藤原:今後の入荷はいつ頃になりそうですか?
宮﨑: 早ければ8月頃、遅いと10月ぐらいですね。生産状況的には8月にはと思っているのですが、最近は気候変動の影響もあって嵐が来たので遅れるといったこともありますし、アイテム数が多いと取り纏めや検査、ロット毎に書類を1つ1つ作成する手間などもあって。時間が掛かることもあります。
矢野:ビーンスパイアが取り纏めてくださってますけど、この少人数でやってるのかと驚かされます。フアディさん、平日は大学教授ですしね。週末だけチェンマイに来て工場や会社のことをやってとされているんですよね…

藤原:タイって高いなで止まらずに、今回の話を聞いてまずは試していただければ嬉しいです。
宮﨑: ただ、タイは本当に年々品質が良くなって、とっても美味しいものができるようになってきてるので。また今年も楽しみにお待ちいただければと思います。
矢野:営業なので、訪問する度にタイを提案すると思います。笑 タイの専門家の名に恥じぬよう提案して参ります!
一同: 今年もぜひ楽しみにしていてください!では今日はこの辺で。ありがとうございました。コップンカ~!
