【Podcast ep.100】インド、ネパールの渡航話

音声で聞きたい方はこちらのPodcastから

今回のスピーカー

海ノ向こうコーヒー
生豆営業担当
藤原

滋賀県出身。通称まりおさん。 海ノ向こうコーヒー最古参のスタッフで、「おかん」ぽいと言われる。 東京在住ながら、ポッドキャストでは誰よりも流暢な関西弁を喋る。 コーヒーのソムリエとも言える、Qグレーダー保持者。

海ノ向こうコーヒー
生豆営業担当
鍛治

北海道出身。全国のロースターさんへ、必要とされる品質やストーリーの生豆を的確にお届けするコーヒーマン。後輩育成にも余念がなく、見た目はクールだけど熱き心をもっている。コーヒーの発芽・育苗から庭での栽培まで行う。実は甘党。コーヒー鑑定士。

藤原:はい、ポッドキャスト始まりました。今回もよろしくお願いします。

鍛治:お願いします。

藤原:今日は藤原と鍛治の2名でお届けします。よろしくお願いします。今回、実はポッドキャストがついに100回目!

鍛治:おめでとうございます。

藤原:わーい。100回。

鍛治:すごいですね。何年やってたんですか?

藤原:覚えてないな。でも2020年ぐらいじゃないかな。

鍛治:うん、たぶん。最初から聞いてましたもん。

藤原:いや、本当にリスナーが続々と登場していただけるというか、みんな入社してくれたという話ですね。笑

鍛治:まりおさん家の庭に鳥が来た話を聞いてました。

藤原:そう、第1回目ね。小鳥が来て、その話を覚えてくれてありがたい。その話からもう実は100回で、あっという間でしたね。

鍛治:すごい。

藤原:今回100回にあたってどうしようかって考えたけど、まあ自分たちらしく普通にいこうと思いまして。

鍛治:特別何かっていうわけではないですものね

藤原:そう。特別なことは何も用意しなかった。もう自然体でいきましょうということですね。でもちょっと緊張してて、実はテイク2なんです。めっちゃ噛みまくったっていうので、実はテイク1あったんです…まあテイク2で無事にこのままいけたらなと思うんですが。

鍛治:はい。

藤原:今日は、インドとネパールのお話をしたいと思います。鍛治さん最近行かれたんですよね?

鍛治:えっと、1月の末から2月の頭まで。インドとネパールに行ってきました。ちょっとお客さんも連れて、みたいな形だったんですけど。1週間、10日弱ぐらいですかね。なんかずっと移動してましたね。

藤原:ほぼ寝てなかったって言ってましたもんね。

鍛治:2日は横になれず、移動しながら寝るみたいな感じでしたね。

藤原:でも楽しかったよっていう反応でしたよね。

鍛治:楽しかったですね。刺激的な旅でした。だいぶいろんな意味でね。

藤原:インドは何日ぐらいだったんですか?

鍛治:26日から31日までいたので、正味3日ぐらいですかね。移動もありますけど。現地にいたのは丸4日ぐらい。

藤原:インドは1カ所だけですか?

鍛治:ざっくり言うとカルナータカ州という南の州の中を回っていて、農園は3つぐらい見てきました。今販売しているパパクチ農園(ウェスタンガーツ コーグ町)、ファインロブスタを作っているパバンさんのところ。あとはアラビカを探しに別の農園へ。さらに道すがら農園に飛び込んでみたり、観光農園みたいなところにも行きました。正確に言うと4カ所見た感じです。

藤原:今回の渡航の目的は?

鍛治:パバンさんのところでファインロブスタがどう作られているかを見ること。それとお客さんのアテンド。あとは、今期どうしていくかという話。あとはフィードバックですね。お客さんが、実際にどういう風に使っているかの話をしたりとか。パパクチ農園はドライミルを外部に借りているので、そのドライミルも見に行きました。どういうプロセスであのクオリティになるのかを見るためですね。

藤原: ドライミルへの距離はどれくらい?

鍛治: 車で北に3時間ぐらいですね、ハッセンという町にあります。そこにスペシャルティ専用ラインがあります。たまたまですが、見に行く予定だったアラビカの農園が、そのドライミルを所有していました。

藤原:行ってから、知った感じなんですか?

鍛治:そうそう。「(パバンさんが)あ、なんかそこ行くんだね、知ってるよ、仲良しだよ」みたいな話をして。

藤原:ええ、じゃあその地域では割と大きくやってらっしゃるんですかね。

鍛治:パバンさんもおじいさんの代からで、今3代目で100年ぐらい続いてますし、そのドライミルを所有してるところもイギリスの時代からやってるって言ってましたね

藤原:すごい長い歴史のあるところですね。

鍛治:パバンさんの農園も、でかいなと思ったんですけど、アラビカの農園は4つぐらい農園があって。1個の農園がパバンさんぐらいの規模感で。でかすぎて驚きました。 この期間だったら1箇所しか行けない感じでしたね

藤原:どういう感じなんですか?プランテーションみたいな感じになるの?

鍛治:プランテーションっていうよりかは、どっちかって言うとアグロフォレストリーに限りなく近い。森の中の木陰に植えて。シェードもインドだとよくあるんですけど、高い木と中ぐらいの木で2段階にシェードを作ったりとかしているような。ポッドキャストで写真をお見せできないのがなかなか心苦しいんですけど。

藤原:(写真を見ながら)だいぶ高いですね。ヤシの木が多いのが意外でした。

鍛治:これ、フィッシュテールとかって言ってたんですけど。魚の尾っぽみたいに葉っぱが開いてて。

藤原:ああ、葉っぱがね。

鍛治:そうそう、形が。フィッシュテールパームとかって言ってました。すごい丈夫で、この葉っぱを刺して(コーヒーの木に)囲いを作ったりとかしました。

藤原:そうか、風とかから守るためにか。

鍛治:そうそう。丈夫だから。

藤原:(他の写真へ。看板の写真を見ながら)ここに書いてありますね、ロケーション。ちゃんと管理されていますね。ブロックナンバー13になってますけど、いくつも(ブロックが)あるってことですね。

鍛治:ブロック(区画)ごとに品種を分けてたり、シェードが違ったりとか。標高も若干変わってきますね。

藤原:熟し方が違ったりするんですか。

鍛治:それもありますね。 日当たりとか、斜面の向きとか場所が違うから熟し方が違うので、「今日はこのエリアでピッカーさんがピックしてるよ」とか。現地では区画管理されてるけど、私たちが買ってるものは区画ごとに分けてるわけではないですね、今のところは。お願いしたらできる、という感じです。

藤原:全部ロブスタが植えられているんですか?

鍛治:ロブスタと、あとアラビカも。アラビカも行ったタイミングがちょうど収穫終わってたので、ロブスタを見てきました。

藤原:ロブスタは今(1月末~2月初旬)、収穫の最盛期って感じなんですか?

鍛治:そう、今まさに真っ只中っていうところですね。

藤原:いつぐらいから始まるんですか?

鍛治:12月ぐらいかな。ただ今年は雨の降り方がちょっと違ってて、収穫してる最中に花が咲いてて。本来だと2〜3ヶ月後に咲くタイミングなんですけど、早い雨が降って、気温の関係もあって花が咲いてしまって。だからインドネシアみたいに、花とつぼみと、完熟したチェリーと、まだ熟してないチェリーが全部1本の木にある状態の木もあったりして。それは今後大変だな、みたいな話をしてました。我々は「すごい」とか言ってテンション上がって見てたんですけど、向こうからすると「ちょっと困るな、このタイミングか…」みたいな。

藤原:雨季は例年いつぐらいなんですかね。

鍛治:えっと9月ぐらいまでだったかな。

藤原:そうすると、本来より収穫時期がずれちゃってて、早く咲いちゃったってことですよね。

鍛治:そうです。そうです。例年は3月とか4月ぐらいから咲き始めるのに、1月の末にもう咲いちゃってて。大体半年ぐらいで完熟果実になってくるので、今から半年後ってなると、雨季真っ只中の時期だなみたいな。

藤原:なるほど。

鍛治:ちょっと気象条件が変わってるのかなっていうのも目にしながら。

藤原:大変ですね。あと、アラビカはもう少し早いってことですもんね。

鍛治:アラビカはもう収穫が終わってました。標高によりますけどね。高いともうちょっと遅かったりしますし。1月の段階でほとんど終わってましたね。

藤原:(別の写真を見ながら)この緑の実がたくさんついてるのは何?

鍛治:これ胡椒ですね。

藤原:胡椒ってこんな感じなんですね。

鍛治:そう。コショウはツル植物なので、シェードツリーに巻き付いて育ちます。

藤原:これは農産物として販売されてるんですか?

鍛治:うん、だと思います。 お土産で胡椒をもらって帰ってきたので。

藤原:いいですね。インドっぽいですね。

鍛治:ここは区画が10個目の区画で、標高が1,000mいかないぐらいですね。ローズウッドとかシダーとか、シェードが変わってますね。

藤原:ワイルドローズウッド(マメ科、弦楽器や木管楽器などの木材として使われる)って何なんやろうね。面白いですね。

鍛治:パパイヤとかもありましたし、オークもありましたね。レッドオークとか。シダー、マンゴーなど本当に色々あって豊かでしたね。

藤原:シェードツリーは、どういう理由で選定されてるんですか?

鍛治:元々あったものを活かしてる感じですね。ワイルドって書いてあるので、自然に生えてたものを活用しながら、抜けてるところに植えていってる感じです。あと、ここに転がってるのがイチジクですね。

藤原:イチジクなんや。どんぐりかと思いました。

鍛治:すごい量の完熟した果実が道端に転がってて。

藤原:日本のイチジクよりちょっと硬そうに見えますね。

鍛治:完熟したやつがゴロゴロ落ちてきてて、たまたま目の前に転がってきたから拾って食べたんですけど、割とさっぱりした甘さでしたね。ちょっと小ぶりかもしれないですね。

藤原:森の中を探検できる感じですね。

鍛治:シルバーオークとかホワイトシダーとか、ジャックフルーツとか。ここはオールドペリディニアって書いてありますね。今販売してるファインロブスタに使ってる品種です。

藤原:ロブスタの品種ってあまり知られてないですよね。

鍛治:ロブスタってみんな言うから、1種類しかないと思われがちだけど、アラビカと同じでいろんな品種があります。このオールドペリディニアは、昔からここにある品種。このエリアが発祥の地みたいな感じらしいです。インドのコーヒーの歴史を調べると、ババブーダンっていう人が出てくるんですけど、そのババブーダンがコーヒーを持ち込んだエリアが、このカルナータカ州のこの辺りなんですよ。ロブスタの樹齢を聞いたら、大体30年〜40年。長いものは、おじいさんの代からのもので90年近いものもあるって言ってました。太いものは直径20cmぐらいあります。すごい太いので、ピッカーさんが木に登りながら収穫してました。

藤原:コーヒーの木って登れるの(笑)

鍛治:ロブスタは傘状に仕立ててるんですよね。下の枝を切って、人が中に入れるようにしてる。収穫しやすいように。アンブレラって言ってました。ロブスタはアラビカと違って、一斉に花が咲くので熟すタイミングも揃うんですよね。だからアラビカみたいに完熟だけを選ぶ必要がなくて、まとめて取れる。枝を握って、バラバラっと落とす感じ。ビニールシートの上に落として、後でまとめます。

藤原: めちゃくちゃ早いですよね。

鍛治: 地面にはシートを敷いて、 チェリーが直接地面につかないようにしています。収穫量は家族ごとに管理していて、収穫後は、ピッカーさんごとに計量しています。例えば、Aさん○○kg、Bさん○○kgみたいに分かれていて、「今日何kg取ったか」 「完熟の割合」まで管理されています。そしてそのままチェリー価格で支払いが行われます。

藤原:出稼ぎで来られる方もいるけど、近くのファームの家族の方が手伝いに来てるんですか?

鍛治:農園の中にピッカーさんの家があるので、そこに住んでる方もいるし、この収穫の期間だけやってくる人もいますね。結構ね、ポロポロと簡単に取れるんですよ。

藤原:(写真を見ながら)本当ですね。でも、チェリーの色がすごく綺麗ですね。糖度は測りはしなかったのですか?

鍛治:糖度で20°超えてました。すごく甘かったです。

藤原:そういう色してますもん。本当にアメリカンチェリーみたいな感じですもんね。その後、一定の量を収穫出来たら、その3km先の加工所に持っていってらっしゃるってことなんですか?

鍛治:まずこのチェリーは、パバンさんの農園の中にパルピングのマシンがあるので、そこを終えてからですね。農家さんは農園で収穫して、大体朝7時ぐらいから稼働し始めて、ちょっとお昼休憩して。午後も稼働して、大体夕方3時半〜4時ぐらいになってくると、みんなが収穫したチェリーを集めて。集積所へ持っていきます。集積所は、パバンさんちの横にあるんですけどね。めっちゃ広くてトラックも止まれる広場みたいなんですけどね。そこで、チェリーを計量していきます。計量したら、パルピングへ移ります。チェリーの比重選別を行います。その後は一般的な生産地と同じですね。
ナチュラルだったら、パルピングしないでチェリーの状態で選別終わって、(シンカーって言われる)水に沈んだやつだけ上に上げて、このドライングのパティオで乾かすとか。アナエロビックもやってるので、プラスチックのタンクに入れて発酵させるとか。それがウォッシュドになると、今度パルパーを通して発酵槽に入っていくなどですね。

藤原:なるほど、なるほど。

鍛治:発酵槽も4つぐらいありますね。

藤原:ナチュラルとウォッシュが見れたんですね

鍛治:そうですね。あとは、日本では買ってないけどセミウォッシュ、いわゆるハニーのプロセス。日本で買ってるのはアナエロビックのハニーですけど、普通のハニーもやったりしています。乾燥も、ドライングベッド、アフリカンベッドでやるのもありますね。

藤原:コモディティレベルになってくると、コンクリートのパティオでどさっと広げて乾燥させたりとかしますものね。

鍛治:ボリュームによって変えてますね。品質高めのやつはちゃんとシートを敷いて、地面に直接触れないようにして乾燥させてます。

藤原:なるほど。グレードによって分けてるんですね。

鍛治:そう。完熟してない緑のチェリーはコモディティ品で、国内に流したり、他のマーケットに流すやつは本当に地面に並べて乾かすだけ。その分、安価に出せるように、そこまで手間はかけない。輸出先は、イギリス、オランダ、スイス、オーストラリア。 あとは一部アメリカとか。日本はうちだけみたいな感じでやっていただいてます。

藤原:ここまで作って、最後ドライミルに持っていくんですね

鍛治:乾燥が終わって、トラック1杯分まとまったら持っていく。大体10トンぐらい。溜まったらハッサンのドライミルまで運ぶって言ってました。そのトラックがいっぱいになるまで、自宅横の倉庫に置いてレスティングさせておく。

藤原:自宅の規模感が……笑

鍛治:ドライミルでは、ハリング、サイズ選別、カラーソーターを見学してきました。スペシャルティのライン、 コモデティのラインは完全に別棟でした。

藤原:混ざらないように?

鍛治:それもありますが、 機械もスペシャルティ専用でした。例えば、脱殻機の素材が違う。熱がこもらないように、 真鍮素材を使っているそうです。また(コモデティとは)精度が違うカラーソーター(電子選別機)も導入されていました。弾かれた豆を見ても、 「どこが悪いのかわからない」レベルでした。本当に精度が高かったですね。
あと今回の訪問では、面白い実験もしました。農園にイチジクが落ちていたので、それを使ってフィグ・ファーメンテーションを試してみました。

藤原:チェリーと一緒に?

鍛治:そう。潰してタンクに入れて 48時間発酵。サンプルが出来上がるのが楽しみです。

(少し話は戻って…写真を見ながら)

鍛治:ドライミルはこんな感じです。これがコモディラインですね。初めて見た機械もあったりして。この円形の「オーシレーター」という機械です。

藤原:何をする機械なんですか?

鍛治:ハリングして、ちゃんと脱殻された生豆は次の工程に進むんですけど、ハリングしきれていなくてパーチメントが残っていたり、ドライチェリーがまだ付いている状態のものは、次の工程に進めないようにして、また前の工程に戻すんです。

藤原:なるほど。やり直しに回すんですね。

鍛治:そうです。あと、このハリングマシーンの真ん中の部分。ちょっと金色っぽくなってるんですよ。

藤原:本当ですね。真鍮製ですか?

鍛治:そうです。

藤原:なるほど。そういう機械まで使って、かなりしっかりしたオペレーションが組まれているんですね。

藤原: でも、やり直しって行ったり来たりしないといけないじゃないですか。

鍛治:そうですね。でもこれは全部自動で流れていくんです。システムで制御されていて。

鍛治:これはカラーソーターです。黒豆とかも全部カウントされているんです。

藤原:すごいですね。

鍛治:めちゃくちゃ速かったですよ。そうですね。これは説明が難しいんですけど、豆が上から落ちてきて、スリットを通過していくんです。それで、ダメな豆だけをエアー(圧縮空気)で「ピン、ピン、ピン」って弾くんですよ。結構な速度で処理されていて。

藤原:弾かれた豆は、またグレードを分けていくんですね。

鍛治:そうです。 カラーソーターの後に、さらにサイズ分けをします。大きい豆と小さい豆、あとはピーベリーはピーベリーで分けたりとか。そうやって出来上がっているのが、うちが買っているパパクチのファインロブスタですね。

藤原:今、写真を見ながら話しているんですけど、そのサイズ分けの装置があって。 なんて言ったらいいんだろう……。土管みたいな。

鍛治::土管(笑)。

藤原:いや、土管だと大きすぎるか。小さいパイプみたいなやつですね。

鍛治:そうそう。10cmぐらいのパイプが並んでいて、そこに「AA」とか「A」とか書いてあるんです。

藤原:そこから出てくる豆が、そのサイズということですね。すごい。

鍛治:えっと、1、2、3、4……10本いかないくらいのラインで分けていました。

藤原:へえ、すごい。

鍛治:ちゃんとしてるなと思いました。しかも倉庫もきれいで。

藤原:整ってますね。

鍛治:次は、麻袋ですね。そう。パバンさんとシャルパさん(パバンさんの奥さん)が、パパクチの麻袋を持って写真撮影してる感じですね。

藤原:いいですね。

鍛治:あと、バキュームパックもできるらしいです。

藤原:あ、そうなんですね。でも、うちのロットはバキュームにはしていないですよね。

鍛治:そうですね。うちは普通の麻袋で、中にグレインプロを入れています。

藤原:やろうと思えばできる、という感じですね。

鍛治:そうですね。ただ、あまり使っていないみたいで、作業もそんなに慣れている感じではなかったです(笑)まあ、あまり使うことはないのかもしれないですね。でもカートンも在庫で置いてあったので、いくつか用途はあるんだと思います。

鍛治:これ、道端にあったジャックフルーツです。

藤原:ああ、ジャックフルーツね。食べてみたいな。

鍛治:はい。本当に豊かですよね。

藤原:それで、道すがらの農園にも立ち寄って、観光農園にも行かれたんですよね。

鍛治:そうですね。これが、玄関前とかでよく見かけるランゴリです。良いものを呼び込むために描かれる模様ですね。毎日チョークで描く、チョークアートみたいなものなんです。

藤原:確かに、お花みたいな模様ですね。

鍛治:ちょっと言葉で説明するのが難しいんですけど、「ランゴリ」で調べてみてもらうと分かりやすいと思います。

藤原:魔法陣みたいな模様なんですよね。

鍛治:そうそう。しかも、一筆書きで描いたりするらしいですよ。デザインもいろいろあって、その人の気分だったり、得意な形だったりで変わるみたいです。

藤原:すごい。

鍛治:バラの花が添えられていたりして、「ウェルカム」という意味合いもあるみたいですね。

藤原:なるほど。いや、もうインドだけでも結構お話ありますね。笑

~ネパール編~

藤原:でもネパールは、滞在はそんなに長くなかったですよね。

鍛治:そうですね。ネパールは丸2日でした。夜に着いて、次の日とその次の日の2日間フルで動いていました。で、最終日は午後の便だったので、午前中だけ少し時間があったんです。 インドでスパイスを買えなかったので、「スパイスマーケットに行きたいな」と思って、スパイスマーケットに行って、少し観光してから帰りました。

藤原:なるほど。ネパールは今回はどの辺に行かれたんですか?

鍛治:ネパールは、いわゆるカブレ地区ですね。 「カブレパランチョーク」とかって言うんですけど。カトマンズから車で行くんですが、距離的にはそんなに遠くないんです。 ただ、道が悪すぎて…。

藤原:行きはどれくらいでしたっけ?

鍛治:えっと、6時間ぐらいですね。もう超絶オフロードでした。

藤原:言ってましたよね。車がすごい角度で揺れてたって。

鍛治:そうなんです。それで、ラミダナという村まで行きました。

帰りは、ドライバーさんがめちゃくちゃ飛ばしていて、3〜4時間ぐらいで帰ったんですよ。

藤原:え、それ半分じゃないですか。

鍛治:そうなんですよ。

藤原:それ大丈夫なんですか?

鍛治:いや、めちゃくちゃ怖かったですね。

藤原:すごいスピードで走っている想像をすると、よく無事に帰ってこられましたね。

鍛治:本当ですよね。山々を見ながら進んでいくんですけど、まず標高2000mぐらいの峠を越えるんです。 そこから、その村までは一度谷に降りるんですよね。谷に降りてから、また上がっていく感じです。

藤原:へえ、すごいな。

鍛治:すごかったです。標高差がかなりありますね。1,000m近く動いていると思います。

藤原:それは、呼吸とかも大変そうですね。体への負担も大きそう。

鍛治:そうなんです。しかも2,000mの峠はめちゃくちゃ寒いんですよ。ダウンを着ないと寒いなって思うぐらいで。 それで谷に降りていくと、今度は暑いんですよね。

藤原:ああ、確かに寒暖差すごそう。

鍛治:だいたい農園は標高1,300mぐらいのところにあります。

藤原:なるほど。 じゃあ2,000mの峠を越えて、一度下って、そこから1,000mちょっとの標高のところに農園がある感じですね。

鍛治:そう、そんな感じです。ずっと車で揺れながらの移動なんですけど、こんな感じで山肌に沿って道が作られているんですよ。

藤原:ああ、本当ですね。 これ、完全に一歩先は崖ですね。

鍛治:本当に。「落ちたら終わりです」っていう感じの道でした。

藤原:ね。本当に、ドライバーさんの熟練の技によって無事に帰ってこられた感じですよね。でも今回、そこに行かれたのもコーヒーが目的だったんですか?

鍛治:そうですね。ネパールもコーヒーが目的でした。今販売している、アミットさんが作ってくださっている「イエティ」という名前のコーヒーですね。これまで現地に行ったことがなかったので、せっかくインドに行くし、近いし行ってみようということで。

それでネパールにも行って、実際に現地でどういうふうに作られているのかとか、どういうプロセスで加工しているのかというのを見てきました。

藤原:なるほど。

鍛治:ただ、アミットさんも農園が一つだけではないので、全部を見ることはできなかったんですけど。今回は、ラミダナという村の農園を見に行ってきました。

藤原:そこはどうでした?水はありましたか?

鍛治:水はすごく豊富でした。 たぶんヒマラヤの雪解け水があるからだと思うんですけど、本当にジャブジャブ水が流れていて。しかも、そのまま飲めるぐらいきれいな水でした。

藤原:ああ、いいですね。おいしそう。

鍛治:本当にすごくきれいな水でした。インドも水は比較的豊かな地域でしたけど、それ以上にネパールは水に困ることはなさそうだなという印象でしたね。

藤原: ネパールの中でも、水で困ることはなさそうな地域なんですね。

鍛治:そうですね。水へのアクセスはすごく良いと思います。

藤原:じゃあ、基本はウォッシュドで作っているんですか?

鍛治:そうですね。ウォッシュドが中心ですが、ナチュラルもやっているし、ハニーもやっています。

鍛治:あと、アナエロビックのナチュラルもやっていました。タンクに入れて発酵させるタイプですね。

藤原:なるほど。ラミダナって書いてありますね。ここで全部完結しているんですか?

鍛治:いや、農家さんのところではドライチェリーやパーチメントの状態まで作るんです。
乾燥まで終わった状態ですね。そこからまた山道を下って、トラックに積んで、カトマンズ郊外にあるアミットさんのドライミルまで運びます。そこで最終的に生豆に仕上げるという流れです。

藤原:なるほど、なるほど。

鍛治:ネパールの場合は海がないので、港がないんですよね。なので輸出は飛行機でのエア輸送になります。なので、次の日には成田に着くみたいな感じですね。

藤原: なるほど。早いですね。収穫期はネパールはどういう感じだったんですか?

鍛治:ちょうど行った時に、収穫がスタートしたタイミングでした。 まだ始まりかけの頃ですね。これから本格的な収穫期に向かっていくところだと思います。アミットさんは、3月までにプロセスを終わらせる予定だと言っていました。

藤原:なるほど。もう向こうにずっといらっしゃる感じなんですね。

鍛治:そうですね。収穫のタイミングは、毎週どこかの農園にいるみたいな感じですね。
いくつかの農園を回りながら収穫を見ているそうです。それで収穫が終わったタイミングで、豆と一緒に戻ってこられるかは分からないですけど、できるだけ早くプロセスを終わらせて戻ると言っていました。

藤原:なるほど、なるほど。今期から、いま紹介いただいた紹介新しくアミットさんのイエティのコーヒーも取り扱いが始まりましたよね。

鍛治:そうですね。以前から、ヒマラヤン・ラグジュアリー・ビーンズのロットも扱っていますけど、それに加えて新しいロットを見てきた、という感じですね。すごく良かったです。

鍛治: ご飯も美味しかったですね。あと、バッファローのミルクとかもありました。バッファローバターみたいなものもあって。

藤原:水牛が主流なんですね。

鍛治:そうですね。ミルクを結構売りにしているみたいで、ミルクを運ぶタンクみたいなものを担いで歩いている人もいました。

藤原:売りに行くんですね。

鍛治:ラミダナの村には、水牛が2頭ぐらいいた感じでしたね。自家消費プラス、余った分を売る感じだと思います。牛乳とはちょっと違って、さっぱりしているけどコクがある感じでした。

藤原:水っぽいわけではないんですね。

鍛治:そうですね。低脂肪牛乳みたいな軽さなんですけど、そこにコクがある感じでした。

藤原:それでバターも作れるんですね。

鍛治:あと、バターとはまた別で、ずっと煮詰めてジャムみたいな状態にしたものもあって、それをパンに塗って食べさせてもらったんですけど、めちゃくちゃ美味しかったです。

藤原:美味しそう。北海道出身の鍛治さんが言うなら間違いないですね。

鍛治:あと蜂蜜も作っていたので、全部美味しかったですね。

藤原: もうヒマラヤの水だけでも美味しそうですよね。

鍛治:本当にそう思います。 こんな感じで、水がずっと流れているんですよ。

藤原:ああ、蛇口があるんですね。

鍛治:水を引いてきているんだと思うんですけど、蛇口をひねったら止まらないぐらい水が出てきて。出しっぱなしなのかな、みたいな感じでした。

藤原:節水とかそういう話じゃないんですね。

鍛治:そうなんです。とにかく水が豊かで、ずっと流れている感じです。

藤原:それは本当に恵みですね。

鍛治:しかもすごくきれいな水でした。

藤原:それならコーヒーのプロセスも安心ですね。

鍛治:そうですね。 コーヒー豆を洗う工程でも使うので、きれいな水で作られているんだろうなと思いました。

藤原:本当に、ヒマラヤの恵みですね。商品ページにも書きたくなるぐらい。写真もすごくきれいですしね。

藤原:ネパールには2日ほど滞在して、そのまま日本に帰ってきた感じですか?

鍛治:そうですね。あまり寝ずに帰ってきました。帰りはタイ経由でした。5〜6時間ぐらいトランジットで滞在して、そのまま帰国しました。

藤原:なるほど。お疲れさまですね。生産地は本当に過酷ですからね。

鍛治:行きと帰りで、丸2日ずつかかっていますね。

藤原: 今回のお話で、インドやネパールのイメージが少し湧いたんじゃないかなと思います。ちなみに、輸入のタイミングはいつ頃になりますか?

鍛治:インドもネパールも、順調に進めば6月〜7月頃には入ってくると思います。少し先にはなりますが、楽しみにしていただければと思います。

今販売しているロットもありますので、そちらも引き続き試していただいて、今年のロットがどうなるのか楽しみにしていただけたら嬉しいですね。

藤原: あと、ファインロブスタについては、興味はあるけど 「どうやって使えばいいのか分からない」という声も聞きますよね。

鍛治:そうですね。今回一緒に行ったロースターさんは、エスプレッソブレンドのベースとして使っています。エスプレッソだけじゃなくて、ブレンドのアクセントとして使うのも良いと思います。アラビカ100%だと作り出せない味わいもありますからね。例えばこれからの季節、アイスコーヒーなどで深煎りにしても、少し物足りないと感じることがあります。そういう時に、ロブスタを少し入れると コクや複雑さが増して、後味も長くなります。

アラビカとロブスタは成分は似ていますが、含有量が違う部分があるので、アラビカ100%では出せない味があるんですよね。それを調整するのも、ロースターさんのテクニックの一つだと思います。焙煎だけではなく、配合の技術ですね。

藤原:それに、本当にクリーンカップですよね。

鍛治:そうですね。 カラーソーターでしっかり選別しているのもありますし、前工程も丁寧に作られています。すべての工程が丁寧なので、それが最終的な味わいにつながっていると思います。パバンさんの事務所には、CQIのファインロブスタの認証も飾ってありました。

藤原:嬉しいですね。

鍛治:今年は、去年よりさらに上を目指すと言っていました。85点を目指したい、という話でしたね。

藤原:目標を掲げてくれているのは嬉しいですね。

藤原:ロブスタと聞くと、どうしてもネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、
これはファインロブスタと呼べるクオリティです。本当にクリーンカップなので、ぜひ一度試していただきたいですね。

鍛治:そうですね。雑味はまったくないです。スペシャルティを扱っているロースターさんでも、ブレンドに使うのも良いですし、 100%で使うのも面白いと思います。もし使い方で悩んでいる方がいれば、ぜひご相談ください。いろいろなロースターさんの使い方も見てきていますので、提案させていただけると思います。サイトにも、ロブスタの使い方の記事をいくつか掲載していますので、まだ見ていない方はぜひご覧ください。

藤原:ポッドキャストにもリンクを載せておきます。

藤原:さて、100回のお話もそろそろ終わりですね。そういえば100回目だったね、という感じでしたね。笑

鍛治:インドとネパールの話をしただけでしたね(笑)

藤原:私たちらしくていいんじゃないかなと思います。100回だからすごいことをやる、という感じではなくて、いつも通りの回で、これで良かったと思います。

二人:ありがとうございました!


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