COFFEE JAPAN PROJECT について

海ノ向こうコーヒーは、国連世界食糧計画(World Food Programee:WFP)と、私たちのビジネスパートナーであるサフロンコーヒーとともに、ラオス北部でのコーヒー生産支援を通じた生活・栄養改善を目指す、「COFFEE-JAPAN PROJECT」を行っています。

パートナーシップ

国連世界食料計画(World Food Programme:WFP)

国連WFPは、飢餓と貧困をなくすことを使命とする国連唯一の食料支援機関です。
紛争や災害時の緊急支援、学校給食支援、母子栄養支援を活動の柱に、
120以上の国と地域に拠点を持ち、約1億6000万人に支援を行っています。(2022年実績)
ー国連WFPホームページより

Saffron Coffee(サフロンコーヒー)

ラオスでコーヒーの精製加工や輸出を行っている現地の企業です。
創立は2006年。海ノ向こうコーヒーがコーヒーに携わるよりも前から、コーヒー事業に取り組んでいました。当時、ラオス北部の山岳地帯に暮らす少数民族モン、ヤオ、ガサック、クムの人びとは、非合法のアヘン栽培を中心にして生計を立てていました。
そこでサフロンコーヒーは、この地でコーヒー栽培をはじめることを提案しました。木々の日陰で作物を育てる「アグロフォレストリ―」という農法を導入し、森の木を守りながら、アヘンに代わる収入手段をつくろうとしたのです。

“We Believe Coffee should not only taste good, it should also do good”
(コーヒーは、ただ美味しいだけではいけない。なにかの役にも立たないとね。)

サフロンコーヒーが掲げる言葉です。

サフロンコーヒーが大切にするのは、持続的なビジネスを地域の人たちと一緒につくっていくこと。アヘンではなくコーヒーで収入を得ることの意義や、生活を改善できる可能性をきちんと理解してもらうため、農家さんたちと丁寧に関係をつくり、あゆみを進めてきました。

森の国、ラオス

東南アジアに位置し、カンボジアやタイ、ベトナムに隣接するASEAN加盟国の中で唯一の内陸国です。1953年にフランスから独立し、1975年にラオス人民民主主義共和国として誕生しました。全人口の6割を占めるラオ族をはじめ、約50の少数民族で構成される多民族国家です。

面積は日本の63%ほどで、その国土の70%は高原や山岳地帯です。また人口の70%が農業に携わっており、稲作のほかにもバナナやサトウキビ、そしてコーヒーの栽培が盛んに行われています。

近年のラオスでは比較的安定した政治が行われ、貧困率も減少傾向にあります。また、この20年間の経済成長により、2026年には後発途上国から脱するとも言われています。しかし、ラオスは自然災害や世界情勢の変化による影響を受けやすいことに加え、都市部と農村部における格差の拡大や労働力の不足など、さまざまな課題を抱えています。

 プロジェクトの実施地域は、ラオス北部ルアンパバーン県に属するビエンカム郡の4村(サー村、プーカム村、プードン村、フアガイ村)と、ポンサイ郡の4村(チョムチアン村、フアドイ村、ロンラット村、ホーアイロンソン村)です。ラオ族にモン族、クム族、いろんな山岳民族の人々が暮らす村々です。そのほとんどが、これから新たにコーヒー栽培に力をいれていこうとしている村です。

コーヒー生産で収入源を

私たちはサフロンコーヒーと協働し、この地域のコーヒー農家さんやコミュニティに対して、コーヒーの苗木の配布精製過程に必要な設備の提供コーヒーの栽培や生産に関する技術や知識を共有するためのトレーニング及びワークショップを実施しています。これにより、コーヒー収穫量の拡大と品質の改善を通じて農家さんの収入の向上をはかります。

また、海ノ向こうコーヒーでは生産をサポートするだけではなく、マーケットを拡大し、生産されたコーヒーをより多くの消費者へお届けしていきます。

栄養課題の解決

またWFPではターゲットの村の農家さんそれぞれの家庭状況を調査し、妊産婦さんのいる家庭、青年期の女の子がいる家庭、妊娠・出産ができる年齢の女性がいる家庭、5歳以下の子どもがいる家庭、栄養不足の女性や乳幼児のいる家庭、障がいをかかえた子どものいる家庭を対象に、栄養価の高い果物や野菜の栽培方法、家畜や魚などの飼育方法、乳幼児の食事、水や衛生の重要性などに関する指導を重点的に行い、栄養課題の解決に取り組んでいきます。

これまでにサフロンコーヒーとともに行ってきた農村部でのコーヒーを通じたアグロフォレストリ―の普及の取り組みを継続・拡大し、森を守りながらコーヒー栽培を行うことで環境保全と同時により多くの農家さんの収入の安定にもつなげていきたいと考えています。

また食や栄養など今までの私たちの取り組みだけでは手を伸ばせずにいた農家さんの日々の暮らしにさらに密に関わること、これはWFPとの共同プロジェクトだからこそできる強みがあるのだと感じています。

生産地の活動にとどめるのではなく、こうした取り組みをより多くの消費者の皆さんへお伝えし、ラオスのコーヒーをお届けしていくこと。これも農家さんや、農家さんの暮らす地域、サフロンコーヒーがこれからも安心して生産に取り組んでいくために必要な私たちの役割だと思っています。

今現地で必要とされている課題に取り組みながら、プロジェクト期間を超えた未来を見据え、事業の持続可能性を考え、コーヒーの続きを一緒につくっていきたいと思います。