そのコーヒーは社会に良い影響を与えられるのか?
ロースターやカフェを経営する立場から、これまではコーヒーの品質ありきで考えていました。コーヒーのおいしさが大切なことは変わりませんが、産地のことを知ったり、また同時に、自分たちの事業が成長し、地域や社会に対する影響について考えたりすることも増えてきました。仕入れも事業活動においても、せっかく影響を与えるならばプラスの影響を与えたい。ミャンマーを訪ねたのは、そういった視点を持つようになってきた2020年1月のことでした。
マイクロミルがあれば、産地の課題解決につなげられる
それまで中南米の産地に行ったことはありましたが、アジアではミャンマーが初めて。色んな村を巡る中で、コーヒーチェリーの収穫エリアとジーニアスコーヒーの精製所が離れていることに気づきました。コーヒーチェリーを運搬する中で品質に影響が出るだけでなく、農家さんの負担も大きいはず。その後、海ノ向こうコーヒーが現地の村々にマイクロミル(小さな精製所)をつくるプロジェクトを立ち上げると聞いて、すぐに協賛することを決めました。マイクロミルがあれば、品質向上や農家さんの負担軽減につながる。そのお手伝いがしたいと思ったんです。
ミャンマーを取り扱うことに不安はなかった
以前からインドネシアなどアジアのコーヒーを販売していたので、ミャンマーを取り扱うことに不安はありませんでした。「どの国で作られたか」に対して強いこだわりを持つお客様は少なく、コスタリカやエルサルバドルなどの産地と比べても認知度に大きな差はないと思います。
現在は深く焙煎することでご好評いただいています。今後クリーンカップが向上すれば焙煎レンジの幅が広がり、より多くの方に楽しんでいただけるようになるかもしれませんね。
一緒に、年々ブラッシュアップをしていくような関係に
ROKUMEI COFFEE CO.が必要としているのは、より深く、長く付き合っていけるパートナーだと思っています。ミャンマーもその一つ。近年の相場変動の激しさというのもロースターにとっては大きな問題。そういった短期的な変化に左右されるのではなく、特定の産地と一緒になってコーヒー豆を作る。そして継続的なコラボレーションを通じて、年々クオリティをブラッシュアップしていくような取り組みができると理想的だと思っています。
ROKUMEI COFFEE CO.代表
井田 浩司さん
Webサイト:https://rokumei.coffee/