前回の「スペシャルティの風味を残すデカフェ加工について」の記事に引き続き、今回はデカフェの焙煎方法やその味わいについて、インスタグラムで頂いた「デカフェ焙煎で困っていることはありますか?」という質問に海ノ向こうコーヒーで働いている焙煎士2名が、回答します!
デカフェの焙煎が難しい…デカフェ臭が抜けない…焼き過ぎてしまう…などお困りの方にぜひ見ていただきたいです!
デカフェの焙煎で気をつけたいポイント
<火力調整編>
焙煎士(中西):急激な温度上昇が起こった時にスコーチになりやすいです。 1ハゼ直後の火力が高かったのではないかと思います。 一番繊細な時に圧力がかかりすぎると焦げてしまうので、温度上昇に伴って、ダンパーを開けていきましょう。 ゆっくり温度を下げたり、上げたりと、火力は微調整にしてみてください!
焙煎士(大田):ハゼ音はそんなに変わらないですが、デカフェでは生豆の状態で黒色や茶色っぽい見た目をしているので分かりずらいですよね。普段から見た目と香りを嗅ぎながら焙煎していますが、デカフェ焙煎の時はより頻繁に見て、嗅いでいます。 するとデカフェでも色の変化が分かるようになってくるので一定の投入量、投入温度で固定して、温度も参考にしながら数回焼いてください!
焙煎士(中西):デカフェは、すでにダメージがあるので火が入りやすいです。1ハゼ以降は急速に水分が無くなるので、1ハゼのままの火力だと進行が早くなります。1ハゼ後、火力を少し下げて試してください!
<味わい編>
焙煎士(大田):生豆由来なのか、焙煎によるものなのかにもよりますが、浅く焙煎せずに2ハゼ前後くらいまでしっかり焙煎すると気にならなくなります。
焙煎士(大田):焙煎が短時間すぎたり、温度上昇が早すぎたりしていませんか? ゆっくり時間をかけて焙煎していくと甘さが増すので、8〜11分を目安に焙煎時間を伸ばしてみてください! デカフェ焙煎は、普段の投入温度から10°下げて投入することで、緩やかに酸の発達をさせて、焙煎時間も通常の生豆焙煎の+1分〜2分くらい長くなるように設計しています。
焙煎士(中西):まろやかさとコーヒーらしい苦味を引き出すためにも、シティローストくらいが美味しいのではないかと思っています。産地や生豆の特徴は、デカフェでも出るので、いろんな種類のデカフェ焙煎を楽しんでください!
焙煎度合い別に飲み比べ
今回は、現在海ノ向こうコーヒーでお取り扱いがある【デカフェ】メキシコ チアパス フィンカ ドンラファ ウォッシュ SHGを浅煎り、中煎り、深煎りにそれぞれ焙煎し、カッピングしました!
浅煎り ※飲みやすくて、赤リンゴのような風味も味わえる浅煎りが好評でした!
・ビターキャラメル
・ナッツ
・とろっとしている
・ キャンディーライクな甘さ、丸さがある
・紅茶やウーロンの発酵茶のような味わい
・赤りんごの印象
中煎り
・グアバのようなフルーツのニュアンス
・紅茶のような口当たりでクリーン
・ローストアーモンド
深煎り
・グラッシーな印象が出てきた
・ペッパーやウッディーなニュアンス
・アフターにチョコレートの風味甘さ
浅煎りでも美味しい。飲みやすい。
