国連UNDPとスリランカの耕作放棄地でコーヒープロジェクトを開始

2026年2月、海ノ向こうコーヒーは、国連開発計画(UNDP)スリランカ事務所とMOU(覚書)を締結しました 。
目指すのは、かつて活気のあった山あいの耕作放棄地を、「スペシャルティコーヒー」が育つ場所へと再生させることです。

スリランカといえば、「セイロンティー」の産地として世界的に有名です。一方で、生産者さんの高齢化や人手不足が進み、手入れの行き届かなくなった茶園が増えてしまうという課題を抱えています 。また、他の国に比べてお茶の生産コストが高く、国際市場での競争力が少しずつ落ちているという現状もあります 。

スリランカの紅茶栽培地域にある耕作放棄地

実はスリランカは、1870年ごろまでは世界でも指折りのコーヒー産地だったことをご存知でしょうか 。さび病という病気の流行で一度は歴史の表舞台から遠ざかってしまいましたが、この島には今もコーヒー栽培にぴったりの豊かな土壌があります。 特に、昼夜の寒暖差が大きな山岳地帯の気候は、味わい深い「スペシャルティコーヒー」を育むのに適した環境です。

今回のプロジェクトでは、公的セクターである国連UNDPと、民間セクターである海ノ向こうコーヒーが協力することで、現地の農家さんが自立し、コーヒーを育てつづけられる仕組み、持続可能なビジネスの形をつくっていきたいと考えています。

未来づくり推進室スタッフとUNDPスタッフ

プロジェクト担当者よりコメント

海ノ向こうコーヒー 未来づくり推進室
田才諒哉

スリランカと聞くと、多くの方が「紅茶の国」を思い浮かべるかもしれません。しかし、19世紀半ばまで、スリランカの主要産業はコーヒーでした。かつてさび病によって失われてしまったコーヒーの歴史をもう一度取り戻そうと、今、現地では「ラク・パラクム」という病気に強い新品種を中心に、新たな挑戦が始まっています。

今回、国連UNDPのプロジェクトの一環として、これまで紅茶を育ててきたプランテーション農園の耕作放棄地で、新たにコーヒー栽培を始めるお手伝いをすることになりました。現地で出会った研究者をはじめ、コーヒーに並々ならぬ情熱を注ぐ人たちの姿を見て、スリランカのコーヒーの未来にとてもワクワクしています。

私たち海ノ向こうコーヒーがこれまでに他のアジアの国々で培ってきた経験を活かし、品質の良いコーヒーづくりのための研修を行うなど、様々な形でサポートしていきたいと考えています。ただ豆を届けるだけでなく、スリランカの地に眠っていたコーヒーの「物語」が再び目を覚まし、世界中のカップに届く日を、皆さんと一緒につくりあげていけたら嬉しいです。

MOU(覚書)の概要
目的:スリランカの耕作放棄地におけるスペシャルティコーヒーの生産
場所:スリランカ民主社会主義共和国
実施者:国連開発計画(UNDP)スリランカ事務所、株式会社坂ノ途中 海ノ向こうコーヒー
いまのところの活動予定
 アグロフォレストリー* によるコーヒー栽培を通じた、環境保全と所得向上の両立
 栽培・精製技術の指導を通じた、コーヒーの品質向上
 公的機関であるUNDPの支援と、民間企業の事業性を組み合わせた、持続可能なビジネスの仕組みづくり

 *樹木を植え、森を管理しながら、そのあいだの土地で家畜・農作物を飼育・栽培すること

<国連開発計画(UNDP)>
国連開発計画(UNDP)は、世界中の貧困や格差、気候変動による問題をなくすことを目指して活動する、国連最大の開発支援組織です。ニューヨークに本部を置き、世界約170の国と地域で、誰もが尊厳を持って安心して暮らせる社会づくりをサポートしています。

サイトURL:https://www.undp.org/ja/japan

<海ノ向こうコーヒー「未来づくり推進室」>

私たちは世界のコーヒー産地を訪れ、その背景にある森林破壊や貧困、教育格差といった複雑な課題に直面してきました。こうした課題にじっくりと向き合い、官民学の多様なパートナーや国際機関と連携しながら、コミュニティ開発や環境保全に取り組むのが「未来づくり推進室」です。

サイトURL:https://uminomukou.com/about/future/

これまでコーヒーの産地に足を運び、現地の生産者さんと一緒にコーヒー生産に取り組んできた知見と経験から、国際機関や行政、企業と連携して、持続可能なコーヒーの産地づくりに取り組んでいます。海ノ向こうコーヒーとの協業に関心のある方は、お気軽にお問い合せください。

お問い合わせフォーム: https://uminomukou.bcart.jp/contact.php