焙煎豆サンプルについて

こんにちは産地担当の山本です。

今回は、ちょっとだけ真面目なお話。
弊社にお問い合わせいただくご依頼の中でも「焙煎豆サンプルはございますか?」ということに関して、

基本的には、焙煎豆でサンプルをお送りすることはありませんが、なぜそうなのかということをちょっと説明したいと思います。

1つ目は、お店で販売する焙煎度合いと、カッピングのための焙煎度合いは違うという点です。

弊社で行なっているカッピングによる官能評価(Sensory Evaluation)は、The RoastやIkawaを使用して行なっています(だいたいいつも同じ焙煎プロファイルです)。そして、SCAAの基準による評価で品質を確かめ産地に対してフィードバックを行なったり、買い付けをしています。

カッピングで評価が良くても、いざ自分の焙煎方法で焙煎するとなんか違う、といったことが良くあります。また逆も然りで、評価は普通でも、自分の焙煎方法で焙煎するととっても良くなったということがあります。

重要なのは、そのコーヒーが、自分の焙煎方法にあっている豆かどうかということだと思います。

焙煎機の種類、焙煎機の設置場所、排気の流れ、焙煎方法で香味は大きく変わりますので
今あるその焙煎機と自分の今までの経験を中心にコーヒーの品質を見極めていただきたいというのが僕らの思いです。

小分けで販売しているので、最小で焙煎できる量を一度試してみて、その上で判断いただくのが良いと思います。

2つ目は、私たちの品質基準は、品質は香味だけで判断されるものではないというのが大前提としてあります。

その上で、香味の品質(Cup Quality)、生豆アピアランスの品質(Physical Quality)、産地での栽培方法・環境配慮の品質(Environmental Quality)、コーヒー栽培による農家さんへの影響品質(Community-Impact Quality)といった品質基準、他に、輸送の方法や、生豆保管の方法、様々なことを考慮しながら購入しています。

カップクオリティだけではなく、今あげた全部のトータルクオリティでそのコーヒーを判断し買い付けをしています。

コーヒーの色々な側面を楽しんでいただきたいというのが、僕らの考えていることです。

そのために、少しずつですがコーヒーの産地のお話や映像を配信しています。

海ノ向こうコーヒーPodcast

海ノ向こうコーヒーYoutube

3つ目に、最初の理由と少し被りますが、サンプルロースターは持っておいた方が良い、ということです

カッピングレベルでの品質評価は、結構ルールが多く、それと同じようには行えない環境の人がほとんどです。焙煎度合いは同じでも、使っているグラインダーは違うとか、お湯の量やコナの量が違うということがあります。

カッピングレベルの焙煎豆の焙煎度合いもそれぞれ違ったりします。産地で活動していた時に、感じたことがまさにそれで、あるオーストラリアのバイヤーがきた時に準備していたカッピングレベルが浅いということでもう一度準備することになりました。

彼がいつもカッピングしていた焙煎度合いは、通常のSCA基準よりも深めの焙煎度合いで、浅めに慣れていた僕らにとってもは少しスモーキーな印象を受けてました。

逆に、超有名なCQIの品質評価の人が国内での品評会で準備していいた豆は、
むちゃくちゃ浅く、僕にとっては、「生焼けやん!」と思ってしまうほどの焙煎度合い。

品質評価に使う(好まれる)焙煎度合いも、それぞれのお店で違うというのは実はとっても重要なことだと思います。

自分の店の品質基準のための焙煎度合いは、自分で決めるのが一番かなと思います。

「サンプルロースター持ってないんですよー」という方もいらっしゃると思いますので、今回パナソニックさんにお願いして、サンプルロースターとして弊社でも利用している「The Roast」を割り引いてもらっています。

3月1日(月)~3月31日(水)まで、Panasonic「The Roast Expert」を特別価格でご案内いたします。
キャンペーン期間中は、税込価格から ¥10,000引きでご購入いただけます。

「The Roast Expert」は、生豆50gという少量での焙煎が可能なサンプル焙煎機で、焙煎度の再現性が高く、
私たちが品質評価をする際にも重宝しています。
また、操作もとてもシンプルで、スマートフォンアプリから細かいプロファイルの調整が可能です。

※キャンペーン価格の適用には、ご購入画面でクーポンコードの入力が必要です。
クーポンコード:ROASTEXUMNMK

ご購入ページ >>
The Roast担当者・橋本さんとの対談 >>
産地・買付担当・山本による「The Roast Expert」についての記事 >>

サンプル評価をしてもらうために、弊社では全ての豆で、200gの小分けも販売しています。お試しください。

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とまぁ、いろいろ書きましたが、決して「ほったらかし」にするつもりはありません。
実際に、焙煎してみて、わからないことや、悩んでいることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
全力でサポートさせていただきます!

そして、何より産地のお話が聞きたいという方、いつでもご連絡ください。
栽培のこと、精選のこと、焙煎のこと、いろいろ話しましょう!
オンラインでお話ししたいという方も、お気軽にご依頼ください。

産地に行けなくて、自宅のパソコンの前に座っている日々が多くなってきているこの頃、

僕は話したくてしょうがありません!

担当 山本
株式会社坂ノ途中
海ノ向こうコーヒー事業部
EMAIL: umi@on-the-slope.com
TEL: 050-7111-2209(平日10:00~17:00)
携帯: 080-9165-2213
<京都本社>
〒600-8888 京都府京都市下京区西七条八幡町21