おはようございます。安田です。
急に夏ですね。季節ももっとゆっくり、段階的にすすんでくれたらいいのですが。。。
さて、おいしいコーヒーづくりには、熟度をそろえて収穫することが大事。でも農家さんたちにそれを伝えていくことは難しいな。
という話の続きです。
誰だって長年続けてきたことを急に変えるのにはパワーがいります。伝えようとする側も、いろんな方向から伝え方を工夫する、時間をかけて何度も伝え続ける辛抱強さが必要なのだと思います。
まずは、集会をひらく。
まずはみんなに集まってもらって、話をきいてもらう。全員には響かなくたって、想いをこめて伝えれば、ひびく人には響く。誰かが実践してくれれてうまくいけば、少しずつみんなが真似しはじめてくれます。
次に、現場をみにいく。
なんだかうまく伝わってないなー、と思って現場をみにいくと、恥ずかしいくらい単純な理由だったりします。例えば、集会に集まってくれるのは男性陣だけど、実際収穫してるのは、お母さんたちだったり。
「赤い実を収穫してほしい」と伝えたとして、赤さにはいろんな段階があります。集会に参加してくれた方たちからさらにご家族に、正確に情報をつたえてもらうために、コーヒーチェリーと同じ色のリストバンドの製作をすすめています。
口頭でいっても伝わらないなら、五感で感じてもらうしかありません。
頭で理解はしてるけど、納得はしてない。みたいな状態ってありますよね。
例えば、納豆が本当はおいしくて健康的だから、食べたほうがいいと言われたとします。でも、昔小さい頃に無理やり食べさせられた時のあの味や、あの匂いを考えると、「うーん。いってることはわかるんだけど、、」ってなる。
「本当においしいコーヒー」ってどんな味なんだろう。未熟なコーヒーばかり集めたときのコーヒーの味は?実際飲んでみて、感じてもらうこと。まずはその「違い」を感じてもらうことが重要かなと思います。
とはいえいきなり「な、このコーヒー、うまいだろ?」といってもコーヒーを飲む習慣がないと、詳細な違いはわからないこともあるので、味のディテールに関しては、地道にゆっくり伝えていくのがよさそう。
突然リアルな話になってしまいますが、まず最初は「このコーヒーはいくらで売られているんだ。」っていう話をすることは結構効果ありだと思います。
例えば実際、有名なパナマエスメラルダ農園のゲイシャを飲んでもらって、価格を伝えたときのざわつきはすごかったです。「なんでそんなに高いんだ。」「なにかの病気が治ったりするのか?」なんて反応はそれぞれ。
とりあえず、”おいしい”コーヒーをつくれば高く売れる可能性は無限大なのだ。ということを伝えることが先決。その”おいしい”を分解していくのは、おしつけることできない部分ですし、時間をかけて一緒にみつけていくしかない。
また、プライドをきずつけない配慮も大切だと思います。ブラインドでどれがおいしいか手をあげてもらう方法もありますが、それより飲んでもらって、豆の紹介をして、最後に「どれがおいしかった?」と聞くのがおすすめ。「そりゃあ俺たちのが一番だ。」といってくれたりします。
それってすごく素敵なことじゃないでしょうか。いいものをつくることに誇りをもっている証拠。
「ですよね!私も個人的にはみなさんのコーヒーが好きです。でも、世界のバイヤーたちの評価はすごく厳しいんです。もう少しここをこうすれば、さらに彼らに評価されるコーヒーになる可能性があると思います。大変だし時間がかかることですが、一緒に頑張ってみませんか。」と声をかけてみるのがいいのかな。と個人的には考えています。
同時に、本当に時間がかかるので、”一緒に”と言ってしまうことは結構覚悟のいること、なかなかおいそれとは口にできないですが、コーヒーに限らず農業に携わるのはこのあたりのトライアンドエラーにかかる時間と覚悟感は必要だなーとつくづく感じます。
さらにこの先の「納得」と「行動」の間にも、大きなギャップがあります。
数字で伝えていくこと、しくみ化していくこと。
書きたいことがどんどんでてきて、なかなか話が前にすすまないですが…
このあたりはまた次回。