カスカラとは、コーヒーの実の皮と果肉部分を乾燥させたもの。スペイン語で「籾(もみ)」を意味するcáscaraに由来します。
実はカスカラを販売することは、農家さんの収益向上や、産地の課題解決にもつながっているのです。
茶色いコーヒー豆からは想像つきませんが、コーヒーは「コーヒーノキ」という木になる果実。ジャスミンのような白い花を咲かせたあと、さくらんぼのような赤い実をつけます。その見た目から、果実は「コーヒーチェリー」と呼ばれます。
「コーヒーチェリー」の中には、向かい合わせに2粒の種子が入っています(1粒の場合もあります)。この種子がコーヒー豆のもと。この種子を乾燥させ、焙煎したものが、普段目にする茶色いコーヒー豆です。
カスカラは捨てられることがほとんど
種子以外の皮と果肉の部分(=カスカラ)は、一部堆肥として活用されることもありますが、ほとんどが使い道がなくて捨てられてしまいます。
見た目のとおり、さくらんぼのようなフルーティーな香りのカスカラ。これを何とか活用できないか。
このカスカラの可能性を広げるため、さまざまに工夫して商品化したのが、カスカラシロップ、コーヒーチェリーティ―、カスカラパウダーといった商品です。
ドライイチジクやあんずのような甘酸っぱい味わいから、コーヒーって果実なんだということを思い出させてくれます。
カスカラシロップ
カスカラをふんだんに使った、フルーティーなシロップです。あんずのような爽やかな酸味と、すっきりとした甘みをお楽しみください。
<おいしい召し上がり方>
カスカラソーダ (カスカラシロップ:ソーダ=1:4)
レモンをちょびっと足すと、さわやかな甘味も楽しめます。
カスカラミルク (カスカラシロップ:牛乳=1:5)
牛乳を温めるとチャイのような味わいに仕上がります。
カスカラコーラ
カスカラシロップをベースに、高知県の生姜、カルダモン、クローブ、ブラックペッパーなど8種類のスパイスをブレンドし、クラフトコーラを作りました。
カスカラの果実感やコク、そしてスパイスのピリッとした辛味がアクセントになり、甘すぎない大人の味わいになっています。炭酸水で割ってクラフトコーラが楽しめるシロップタイプ。牛乳を合わせて、チャイのように楽しむこともできます。
カスカラコーヒーチェリーティ
カスカラ独自のフルーティーな味わいを楽しめるお茶です。
カスカラのあんずのような風味をそのままギュっと閉じ込めた、まだ日本では珍しい飲み物です。
お好みで生姜やはちみつを入れて、ちょっとスパイシーティに。濃いめに抽出して炭酸水で割るのもおすすめです。
カスカラパウダー(コーヒーフラワー)
カスカラをパウダー状にしたものです。
カスカラパウダーは小麦粉に混ぜて、
お菓子やお料理にお使いいただくのがおすすめです。
いろいろなアレンジでお楽しみください。
農家さんの収益向上にも、産地の課題解決にも
私たちが通うアジアの産地では、農家さんがコーヒーチェリーを一つ一つ手摘みで収穫しています。一粒のコーヒーの果実から得られる収入が2倍になれば、農家さんの生活向上にもつながります。
また、産地ではゴミとなるカスカラによる環境汚染も課題となっています。たとえば、川に大量に棄てられてた結果、カスカラが腐敗し、水質汚染を引き起こしたという事例もありました。
カスカラを美味しく楽しむことが、産地の課題を解決する手助けにもなるのです。
そんなストーリーとともに、多くの方にカスカラを知っていただけたらうれしいです。