トラックのため、ほんとは家族のため。

フエカイ村をあとにして、次の目的地、サー村へと向かいました。

サー村はテン族という民族の村で、68家族が住んでいます。電線は通っておらず、小さなソーラーパネルを庭先や屋根に付けて必要な電力をまかなっている家庭が多いようでした。

伝統的な様式の家がほとんどで、竹を編み込んでつくった木材が家の壁に使われています。よく見ると竹の編み方が家ごとにちがっていました。

(サー村の民家)

サフロンコーヒー4年前からこの村に通い、コーヒー栽培のサポートを行ってきました。

人々の生活に欠かせないのが水。農業にも必要です。

水の供給が整備されていなかったサー村に、水を引いてくる整備を行ったのはサフロンコーヒーでした。
コーヒー栽培だけではなく、こうしたインフラの整備も含めてサポートを行ってきました。

サー村の人々の家の庭先にはそれぞれ数十本ほどのコーヒーの木が植えられていて、村の森の中にはサフロンコーヒーと村の農家さんたちが管理している農園もあります。

(サー村。サフロンコーヒーと村の農家さんたちで管理する農園)

これまでのサフロンコーヒーの取り組みもあり、この村の人々にとってコーヒー栽培は身近な様子。農家さんたちはより積極的で前向きにこのプロジェクトに参加してくださっているようでした。

「そういえば、弱っている木があるんだけど、どうしたらいいかな…」

苗木を植えるワークショップ中には、農家さんたちからたくさんの質問が挙がっていました。

「水はどうやってひいてこようか……」

農家さんたち自ら、考え、話し合う姿がありました。

(農家さんの問いかけに耳を傾けるサフロンコーヒーチーム)

今回のプロジェクトではじめてコーヒー栽培に挑戦するという農家さんの一人、セイン・トンさん。奥さんと18歳になる娘さんと牛や水牛を飼い、家畜で生計を立てています。

(一番左がセイン・トンさん)

「弟がコーヒーを植えていて、実は前からコーヒーに興味があったんだ。

そんな時にちょうどこのプロジェクトでコーヒーの苗木を植えるっていう話を聞いて参加することにしたんだ。

収入が増えたら、トラックがほしいんだよね。」

冗談半分に夢を語りながら、「ほんとは家庭のため」と、大好きなタバコを吸いながら愉快に話してくださいました。