品質の更なる向上を目指す。クリンチマウンテンのALKO生産者組合

インドネシア・スマトラ島にあるALKO(アルコ)生産者組合は、2013年に運営を開始したコーヒー生産者組合です。現在では、クリンチマウンテンエリアの615世帯の小規模農家が所属しています。

組合では、コーヒーの栽培から販売まで一環して地域コミュニティと協力することで、生産能力や品質の向上、製品の価値を高めると同時に、自然保護とコミュニティ活性化を図っています。

ALKO生産者組合との出会い

代表のスルヨノさんと海ノ向こうコーヒーの関わりは、アルコ生産者組合が駆け出しの頃から始まりました。以降、私たちは産地訪問や日本での交流を重ね、ビジネスパートナーとしても関係性を築いてきました。

「私たちと関わってきたことで、何かいい変化はありましたか?」
と聞いてみたときのこと。

「坂ノ途中(海ノ向こうコーヒー)は、品質や生産性を向上のために意見やアイデアを共有し、生産者を訪問するなどして私たちと親密なパートナーシップを築いてきました。品質だけではなく、環境やトレーサビリティ、公平な還元、文化的な背景を大切にする姿勢が、私たちのコーヒー生産に対する考え方にもいい影響を与えています。」

そう語るスルヨノさん。私たちがクリンチマウンテンへ現地訪問している最中、いきなり「明日からメッカに行ってきます。」と言って急にいなくなってしまい、困ってしまうこともありました。

能天気でマイペースに振り回されてしまうこともたくさんあるのですが、この言葉を聞くと、たまには良いことを言ってくれるじゃないかと、うれしくなりました。

品質向上のための様々な取り組み

アルコ生産者組合では2023年の年末、組織のチーム再編成を実施しました。品質の不安定さを改善し、より品質の高いコーヒーを生産していこうと、品質の管理とスタッフの育成にも力を入れるようになりました。

代表のスルヨノさんの師匠でもあり、インドネシアスペシャルティコーヒー協会の元理事でもあるシャフさんを定期的に招き、ロットの管理方法の改善やカッピングの技術の習得にスタッフ全体で取り組んでいます。

組合の運営する加工場では、比重選別機とハンドピックによる選別を行っています。比重選別機に2回通すことで、選別の精度を上げ、さらにハンドピックで欠点豆を一つひとつ取り除くことで選別を強化しています。

20代前半の若いスタッフが多い新しいチーム。海ノ向こうコーヒーでは、日々のコミュニケーションの中で、水分値の管理の徹底やアピアランスの改善など、品質の安定に取り組んでいます。

クリンチマウンテンのコーヒーを海ノ向こうコーヒーの看板商品にすべく、私たちとアルコ生産者組合の取り組みは続いていきます。

深刻なごみ問題にチャレンジ

晴れの日、クリンチ山を望む景色は圧巻。一見、自然豊かに見えるクリンチマウンテンですが、実は深刻なごみ問題を抱えています。ごみの処理方法や設備不足も要因のひとつですが、地域住民の人々の意識も課題です。

そこで組合では、これまでクリンチマウンテンの環境保全にも力を入れ、定期的にコーヒー栽培が盛んに行われている地域やクリンチ山山道のごみ拾い活動や植樹活動を行ってきました。

海ノ向こうコーヒーは、こうした組合の活動に一緒に取り組み、2024年8月、クリンチ山のごみ1kgをコーヒー豆1パックと交換する「1KG1PACKプロジェクト」を実施。

参加者からは、「この活動がコミュニティの環境意識を高め、環境保全の重要性を考えるきっかけとなっている。」といった声が上がりました。

コーヒーをつくるだけではなく、コーヒーが栽培されている環境や、そこに住む人々の生活にも配慮しているのがアルコ生産者組合の特色です。

私たちが普段飲んでいるコーヒーが、こうした現地での活動にもつながっている、と考えるとなんだかうれしくなってきます。

インドネシア クリンチマウンテン
コピ ジェルク スマトラ式

明るいオレンジフレーバーとやさしいスマトラ感