タイコーヒーを世界へ!Fuadiの挑戦と覚悟

2021.08.31
  • 産地の話

Coffee is not just a black liquid rather turned to be more colorful and vivid tint if you could get into its production country.
(生産者を知ればその国のコーヒーは、ただの黒い液体ではなく、もっとカラフルで鮮やかな色合いになる。)

そう教えてくれたのは、タイのコーヒーを手がけるFuadi Pitsuwan。彼と出会ったのは、2017年にシアトルで開催されたアメリカスペシャルティコーヒーの展示会。当時、僕は東ティモールとミャンマーのコーヒー、彼はタイのコーヒーの販路開拓のために参加していました。そこで、共通の友人であるフィリピンコーヒー輸出会社のKalsadaCoffeeが僕らを招聘し、シアトルのスペシャルティコーヒーシーンではまだ見向きもされていないアジアのコーヒーを広めようと、バイヤーを集めてカッピングイベントを行ったのです。

ロースターならば誰もが扱いたくなるような品質

カッピングイベントでは、彼のコーヒーと僕のコーヒー(特に東ティモール)の評価が高く、早速カッピングのために用意されたコーヒーテーブル越しに和気藹々とコンテナ単位の商談が行われました。

「the cleanest wash coffee Ive ever had(今まで飲んだタイコーヒーの中で一番クリーンカップが高い)」
「so well balanced natural process (とてもバランスの取れているナチュラル製法のコーヒーだ)」
「very thick sweetness with bright and juicy-ness in this honey process (厚みのある甘味と明るさとジューシーさを兼ね備えているハニー製法だ)」
彼のタイコーヒーに対し、アメリカのバイヤーたちからはそんな称賛の声が上がっていました。カッピングをひと通り行なった僕自身も(自分のコーヒーを除いて)彼のコーヒーの質が一番高く、ロースターならば誰もが扱いたくなるような品質であると感じました。

カッピングイベントが成功したあと、片付けをしながらFuadiに彼のコーヒーについて詳しく聞きました。
「タイコーヒーは、元来青みが強く出る傾向のコーヒーでどうしてもその部分がネガティブな印象になりやすい。だからその“青さ”をできるだけ無くすために、毎回実験と研究をしているよ。例えば、水洗式の発酵後、洗ったパーチメントを再度綺麗な水につけて青みの成分を取り除いたりしている。ただこれはやりすぎると味もシャシャリもない平べったいコーヒーになってしまうから、何時間つけるとバランスよくその青さがなくなるかを1時間ごとにサンプルを取り出して検証したり、そもそも使用する水の量を調整したりと色々やったね。まだまだできることはたくさんあると思っているから、これからも実験と実証の繰り返しだよ。」

「なんでタイコーヒーは売っていないんだろう」イングランドで浮かんだ疑問からFuadiの挑戦は始まった。

FuadiはBeans Spireというタイのコーヒー会社を創設した1人で、オクスフォード大学経営学部を卒業したというとても優秀な経歴を持っています。そんな彼が大学在学中にさまざまなスペシャルティコーヒー屋さんを巡る中で、ふとある疑問が頭をよぎりました。

「なんでタイコーヒーは売っていないんだろう」

タイコーヒーはタイ国内ではとても品質の高いコーヒーとしてその名を馳せていたにも関わらず、ここイングランドでは全くそのコーヒーを買うことができない。なぜだろうと。

実際にコーヒーショップの人たちに話を聞いてみると、そもそもタイでコーヒーが栽培されていること自体を知らない人が多かったそうです。たまたまタイコーヒーを飲む機会がある人がいても、「品質的に満足できるものではない」という反応が多く見られました。

「だから、僕は大好きな自分の国のコーヒーを世界に広めることに決めたんだ」

彼の言葉は力強く、とても聡明な響きを持っていました。そして覚悟を感じました。実際に、このイベントの前日。彼とともにアメリカ中の有名な企業が集まる昼食会に参加した時も、「あ、あれは〇〇コーヒーの代表だ。ちょっと挨拶してくる」と話したこともない超有名な企業の代表に「タイコーヒーを扱っているBeans SpireのFuadiと申します。ぜひ御社でうちのコーヒーを取り扱ってください!」と物おじせず営業をかけていました。

僕らも多くの人にFuadiのコーヒーを広めたい。

それから数年後。僕自身、それまで活発に行っていた産地での活動を減らし、日本国内での販売活動を開始した時すぐに彼のコーヒーを取り扱おうと決めました。社内の人たちはタイコーヒーの買い付け価格の高さに驚いていましたが、その大半が農家へちゃんと支払われている旨を伝えると、「ならばやろう」と賛同してくれて現在に至っています。

現在、ドイパンコンの生産地を中心に各農家に農業指導を行いながら、引き続き品質向上のために様々な精選方法を試しているFuadiは、今までにないほど生産現場に入り込んで活動をしています。農家とともに収穫し、農家とともに加工し、彼らの生活を実体験として体に染み込ませながら品質向上に取り組んでいます。

Coffee is not just a black liquid rather turned to be more colorful and vivid tint if you could get into its production country.
(生産者を知ればその国のコーヒーは、ただの黒い液体ではなく、もっとカラフルで鮮やかな色合いになる。)

Fuadiが心がけているモットー。
兎角コーヒーというと「カップクオリティ」、つまり品質の部分が主役になりがちで、栽培方法やそこで活き活きと活動している人達が見過ごされることがあります。作り手のことも知れば知るほど、コーヒーはもっと豊かな広がりを持つと思います。そんな全体的な、トータルクオリティを大切にしたいと思っている僕らにとっても彼の思いはとても共感でき、しっかりと噛み締めないといけないなと背筋をただされる思いです。彼のコーヒーをより多くの人に飲んでもらえるようにこれからも様々な形で彼らの思いをお届けしてまいります。

Fuadiのタイコーヒーはこちら

タイ ドイパンコン ウォッシュド
タイ ドイパンコン ナチュラル
タイ ドイパンコン ブラックハニー

Fuadiとのオンラインでのお話会はこちら

海の向こう側トーク 〜タイコーヒー パートナー Beans SpireのFuadiさん〜

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