CQI認定アラビカグレーダーを取得しました

こんにちは。海ノ向こうコーヒー@東京オフィス の藤原です。

少し前にはなりますが、10/25(金)~27(日)、11/2(土)~4(月)と、熱海にあるJapan Coffee Exchange(以下、JCE)のラボで、CQI認定のアラビカグレーダーの講習/試験 を受けてきました。とても充実した内容だったので、みなさまに少しでも様子をお伝えできればと思い、内容をレポートいたします◎

CQIアラビカグレーダーとは?

今回私が講習と試験を受けてきたCQIアラビカグレーダーとは、中立な立場でコーヒーの品質評価を行うための資格です。
この資格を持った人が機関を通してコーヒーを評価します。外観にダメージが無いかどうか、そして味覚や嗅覚など五感を使った評価を行い、一定以上の点数を得たコーヒーは「Qコーヒー」と呼ばれます。

試験内容としては、コーヒー評価のプロフェッショナルとして必要な味覚・嗅覚が備わっているかどうかを審査する基礎科目(「センサリースキルズ」や「オルファクトリー」等)や、
コーヒー評価に必要な知識・技能を習得しているかを審査する応用科目(「カッピング」や「グリーングレーディング」等)の、8科目19試験で構成されています。

誰よりもこの豆のことを理解したい。

自分自身、コーヒーと関わるようになったのはここ数年。最初は右も左もわからない中で、コーヒーを扱う仕事がはじまりました。
お客様の意見がすべてと考えていたのですが、コーヒーの品質に関してはお客様の意見も様々。
誰のどの意見が正解かがわからない。
ようやくわかったことは、絶対的な正解があるわけではないということ。

せっかく農家さんが一生懸命につくったコーヒー。
どれだけの人が、客観的な物差しに基づいて評価してるんだろう。

最終的にはもちろんお客様の判断にはなるのですが、
少なくとも自分がこの豆のことを客観的に一番語れる人になっていたい。
その上で、お客様に判断してもらいたい。きっと、豆にとってはそれが一番フェア。
なんとなくではなく、客観的な物差しを基準に語れるようになること。
誰よりもこの豆のことを理解したい。
CQIアラビカグレーダーを取得すれば客観的に品質判断が出来るようになる。

…と意気込みはあったのですが、費用も掛かるし自信もない。
半年ぐらいは踏ん切りがつかなかったのですが、色々と考えても自信はつかないし、自分への言い訳だなと思い、最後はえいや!で申込みしました。
申込んだからにはやるしかない。

泊まり込みで滞在したラボと、必死に受講した日々

期間中は、熱海にあるラボに宿泊し受講しました。
講師である松澤先生には大変お世話になりました。

基本的には講習は18時終了。終了次第自由時間ではあるのですが、受講生の要望に応じて練習する機会をいただきました。18時以降は居残りで、必死に復習しました。センサリースキル、マッチングペア、そしてカッピング。試験前日から前入りし、夜に受講生でカッピングしたのも良い思い出です。

講義を受けて強く感じたのは、合格者の輩出が目的ではなく、Qグレーダーとして求められている内容を伝えるために、先生が本質的な指導を行ってくださっているということ。。
どういったミスがあり落としてしまったのかを丁寧に教えていただき、次への修正につながり、大変勉強になりました。
ご指導、本当に感謝いたします。

今回の受講で得られた3つのこと

1.客観的な評価基準
今までコーヒーの評価は自身の好き嫌いに大きく影響されていたことを改めて感じました。
先生や受講生と評価とすり合わせることによって自分の評価の癖を知ることができました。そして、評価するにあたって自分の得意な部分、苦手な部分も知ることができ、評価時に特に気を付けるポイントを得ることができました。

2.コーヒーを愛する気持ち
魅力に取りつかれました。体力的精神的にはハードな数日間であったのですが、先生の講義が素晴らしく、すべての授業でワクワクが止まらず。本質的で丁寧な講義、指導でした。これから何のために、どうやってコーヒーと関わっていこうかを考えさせられるきっかけになりました。

3.仲間
社会に出てからはあまりない経験ですが、(文字通り)ひとつ屋根の下で同じ釜の飯を食い、必死になって一緒に学んだ受講生のみんな。
自分たちのクラスはおっとりとしていたこともあり、先生から厳しい指導を受けました。が、その効果もあり(?)ゴールに向かって共に学ぶことができました。コーヒーを通して出会えたみんなに感謝です。

そして最終日の合否発表では、無事に合格!
認定書をいただいた瞬間、忘れません。

責任の重さと怖さ。これからも学びは続きます。

自分が合格できたと知った瞬間は、喜びもありましたが、それ以上に怖さのほうが勝っていたと思います。
自分が本当に相応しいのか。評価するに値する人間なのか。農家さんの生活に関わってくる。そこまでの責任をもった判断ができるのか。
それに対してもらった言葉は、ここからがスタート でした。
怖さに打ち勝つ為に、もっと努力しないといけない。相応しい人間になれるよう、もっと経験を重ねないといけない。もっともっともっと。

と、同時にこの評価がすべてではなく、1つの基準ということを忘れないように。
品質の裏側に広がっていること(どんな人が、どんな思いをもって、どんな苦労や努力をしながら取り組んでいるのか)を、自分は伝えられるようにしたい。と改めて考えるようになりました。

最後に…

何が大変だったかとよく聞かれるのでこちらに。
大変だったこと、それは精神的な部分が大きかったと思います。
具体的には、プレッシャー。短期間でどこまで自分を高められるか。集中力を保てるか。試行錯誤して結果を残せるか。追い込みやりきること。そして、試験当日に自分のことを信用できるか。

あまり心の余裕がなく臨んでいたこともあり、上記のような大変さはありました。

ただ、寝ても覚めてもコーヒーのことしか考えない日々。
日常生活だと、コーヒーだけではなく他の仕事や家のこともありつつですが、この期間はコーヒーのことばかり。思い返すと、充実したかけがえのない数日間でした。
機会と仲間に恵まれたこと感謝です。

長文失礼しました。
学んだこと感じたことを、日々の仕事に反映し、みなさまに喜んでいただけるよう精進いたします。

これからも海ノ向こうコーヒーをよろしくお願いいたします!