ミャンマー渡航報告会&試飲会を開催しました!

みなさん、こんにちは!海ノ向こうコーヒーインターンの舛田です。

先日、Farmers’ Prideプロジェクト第1弾、ミャンマー渡航報告会&試飲会を開催しました。お越しいただいたみなさま、ありがとうございました!
「当日行けなかった…」という方のために、同じくインターンの古城(こじょう)がイベントをレポートします。

その前に少し、Farmers’ Prideプロジェクトについて私から…

Farmers’ Prideプロジェクトとは?

Farmers’ Prideプロジェクトは、「珈琲焙煎所 旅の音」さんと、私たち海ノ向こうコーヒーによる共同プロジェクトです。

私たちは、ミャンマーのシャン州ユアンガン地域で、農家さんの「顔が見える」コーヒーづくりに挑戦しています。

通常は農家さんが収穫したコーヒーチェリーを買い取り、現地のコーヒー会社が精製を行っていますが、今年は、農家さん自身にコーヒーチェリーの収穫後、生豆ができるまでの精製もお任せし、いわゆる「マイクロロット」のコーヒーづくりにも取り組んでいます。

詳しくはこちらのブログに書いていますので、良かったら読んでみてください!
コーヒーの「マイクロロット」とは。
マイクロロットは誰のため。

「マイクロロット」には様々な定義がありますが、私たちは「誰がどのように生産したのかできるだけ細かい単位まで追跡できるコーヒー」と捉えています。

おいしいコーヒーが手元に届くまでに関わった人々の想いに寄り添えるようなコーヒーを作りたいと思っています。
アジアの新興コーヒー生産地での新たな挑戦です!

Farmers’ Prideプロジェクト ミャンマー渡航報告会&試飲会

それでは、古城からのイベントレポートです!当日の写真とともに読んでみてください。

====当日レポート====

みなさんはじめまして、海ノ向こうコーヒーインターンの古城です!
先日、京都にある珈琲焙煎所 旅の音さんにて行われたイベントのレポートをお届けしたいと思います。

イベント当日は、ロースターさんや大学生、なんとアジアの農園に実際に足を運んでいる高校生まで、様々な形でコーヒーに携わっている30人以上の方々にお越しいただきました。本当にありがとうございました!

イベントでは、まず「旅の音とは?」「海ノ向こうコーヒーとは?」をテーマに旅の音の焙煎士かつオーナーである北辺さんと、海ノ向こうコーヒー産地担当安田からお話してから、ミャンマーでの「Farmer’s Prideプロジェクト」について、現地の写真や動画とともにお伝えしました。

今回、旅の音さんと海ノ向こうコーヒーでコーヒーを買わせていただいた農家さん、ドプシュエさん、マチュトゥさん、ウーチョウティンさん3人のお話を中心に進んでいきます。

みなさんはコーヒーチェリーの糖度がコーヒーのおいしさに関わる、ということをご存知ですか?

焙煎士の北辺さんは、コーヒーチェリーの糖度は、おいしいコーヒーの評価基準の1つとして大切なものであると言います。
一般的に、しっかり熟したチェリーからは、おいしいコーヒーができると言われます。
おいしいコーヒーができるチェリーの糖度は15度以上。20度だとかなり糖度が高く、よく熟している証拠です。
農家さんたちは、しっかり熟したチェリーのみを収穫する、ということに一生懸命取り組んでいます。

糖度計を使って、チェリーの糖度を計ります

北辺さんが、ドプシュエさんがつくったコーヒーチェリーの糖度を測ったところ、なんと35度!
最初は糖度計が壊れたのだと疑ったそうです(笑)。
実際に35度と表示されている糖度計の写真を見て、会場も少しざわつきました。
ドプシュエさんの努力によって保たれている清潔な農園と、そこにしかない土壌や水、といった環境が、糖度の高いコーヒーを生み出したんですね。

また、マチュトゥさんのコーヒーは香りを嗅いだだけで、他とは違う強い個性を持っていることがわかります!マチュトゥさんもかなりの努力家で、前向きにマイクロロットコーヒーづくりに取り組んでくれている農家さんの一人です。

また、ウーチョンティンさんはこの村の村長さんを務めつつ、コーヒー農家を営んでいます。「おいしいコーヒーを届けるためにどんなことでも挑戦したい。おいしいコーヒーの作り方を他のコーヒー農家にも伝授していきたい」と言います。周りのコーヒー農家さんを巻き込んで、一緒に成長していく未来を見据えて行動する村長さん、本当に尊敬します。

ウーチョウティンさん夫婦

Farmers’ Prideプロジェクトでつくられたコーヒーは、農家さん一人ひとりに精製までお願いしているため、大きな精製所で加工されたコーヒーと比べると一定の品質を保つことが難しいという側面があります。
しかし裏を返せば、農家さんが精製までを行うからこそ、生産者の顔が見え、安心して飲めるコーヒーをみなさんにお届けすることができます。
また、そこから生まれる、オリジナルのコーヒーの味があります。

これから年を重ねるごとに、少しずつコーヒーの味が変化していくかもしれません。
そういった変化やブレも楽しむ。そんな新しいコーヒーの楽しみ方の入り口を増やしていけたらと思っています。

報告会を終えた後、
「現地の写真や動画を見ることができたおかげで、どのような土地でどんな農家さんがコーヒーをつくっているのかやっとイメージができた」という方がいらっしゃいました。

コーヒーが育ちにくい環境の日本では、なかなか目にすることのできないコーヒーの生産地を想像し、想いを馳せるきっかけになっていたら嬉しいです。

ミャンマー渡航報告会の後には、マイクロロットコーヒーのカッピング会(試飲会)を開催しました。

このカッピングでは、「おいしいか、おいしくないかと白黒つけるのではなく、こんな味もあるんや〜というのを楽しんでほしい」と北辺さんはおっしゃいました。
まだあまり知られていない、アジアのミャンマーコーヒーを参加者のみなさんに純粋に楽しんでいただけるカッピング会となったと思います。

農家さんたちの“誇り”

今回のイベントで、私が1番印象に残っているのは、ミャンマーの生産者さんのコーヒーに対する熱い想いです。
Farmers’ Prideプロジェクトのためにコーヒーを用意していた農家さんは、実は30人ほどいたのですが、「自分のコーヒーがもし日本で不評だったらミャンマーのコーヒーの評価が下がるかもしれない」と、このプロジェクトに参加しないと自ら選んだ農家さんもいたそうです。
この話を聞いた時、Farmers’ Prideというプロジェクト名の通り、農家さんのコーヒーづくりに対する姿勢や彼らの誇り高さに、「プロフェッショナルだ」と感じました。

コーヒーづくりに真摯に取り組み、おいしいコーヒーを届けようとしている農家さんがたくさんいるということを、私たち消費者側は理解する必要があると思いました。

コーヒーが育つ、海の向こうに思いを馳せて

私たちが飲んでいるコーヒーには、本当にたくさんの思いが詰まっています。
このようなイベントが、みなさんが「遠くに思いを馳せる」きっかけになれば嬉しいです。

5月には、ミャンマーで今シーズン収穫された新しいコーヒー豆(ニュークロップ)を輸入予定です。
入荷したらまたお知らせしますので、こちらもお楽しみに!