こんにちは、海ノ向こうコーヒー WEBチームの村上です。
2025年9月8日から16日にかけて、このプロジェクトに参加してくださっている8つの村すべてを訪問。コーヒー栽培で困っていることや、プロジェクトに参加してからの暮らしの変化など、農家さんへインタビューを行いました。私は撮影のために同行し、この旅を通して感じたことを記事にまとめます。

ラオスは、ちょうど雨季が終わるころ。 雨でえぐられた道路には膝丈くらいの溝ができていました。村へ向かう道中では雨に打たれたり、タイヤがはまってしまったり、四駆の車でも太刀打ちできず、車を降りて歩いて山道をのぼったりと大変な道のりでした。

ルアンパパーンの町から車で6時間、標高1,000メートルを越えたところにある、ロンラット村に到着しました。私たちの到着を知らせる町内放送が鳴り、続々と農家さんたちが集まってきてくださいました。
農家さんの暮らし
村の人々は、生活用水のために雨水を溜めて、小さな小さな太陽光パネルで電気を確保し、薪で火をおこして暮らしています。 朝日が登る少し前にニワトリの大合唱で目が覚め、丸テーブルに並ぶご飯を家族みんなで食べて一日が始まり、日中は畑作業をして、日が傾いてきたら夜ご飯を作って食べて、暗くなったら眠ります。
農家さんへのインタビューのなかで、プロジェクトに参加してくださった動機を聞いてみると、返答は子どもの学費を稼ぐため、必要な薬を買うため、家を建てるため……。それぞれに思いをもって、プロジェクトに参加し、コーヒー栽培に取り組んでいらっしゃることを知りました。中でも印象的な回答をしてくれたのがミヤさんという女性でした。

「このプロジェクトに参加してみて、変化したことはありますか?」と聞くと、
『夫婦でコーヒー畑で働けるようになったので、出稼ぎに町へ行く必要がなくなり、家族みんなで顔を合わせる時間が増えた。』
と幸せそうな笑顔で話してくれました。
ミヤさんから、家族や大切な人と一緒に時間を過ごすことの尊さ、物質的な豊かさだけではなく、そこにある「豊かさ」に気づくことの大切さを学びました。




旬の食材を使った村のご飯は、季節の移ろいを感じることができます。私たちが訪問した9月は、タケノコが採れる時期で村の家先ではタケノコを下処理する人の光景がありました。その日の私たちの食卓にも、タケノコを使った一品や優しい味わいのバンブースープが並んでいました。
< 旅のエピソード >
滞在中、現地通訳のラムさんが豚を一頭丸ごと買って、振る舞ってくれました。(7割は、ラムさんが食べていたけど…)ラオスの人は、何か祝い事があると豚やバッファローを食べるそうです。村での滞在中、食事の時は全員が食べることに集中していました。

コーヒーのこと

滞在中、村の人や現地通訳のラオスの人たちに「どんなコーヒー飲んでいますか?」と聞いて、回答が多かったのは『スリー・イン・ワンのコーヒー』。砂糖、ミルクが一緒になったパウダーのコーヒーで、1本4,000キープ(日本円にして24円ほど)で売られていました。
コーヒーを育てているものの、コーヒーチェリーのまま売っている農家さんが多く、農作物としてのコーヒーから飲料としてのコーヒーまで距離は遠い印象でした。なかには、精製加工までを自分で行った農家さんもいらっしゃいました。『フライパンで炒ってコーヒーを飲んでみたんだよ』と話してくれたその農家さん。それを見て、ほかの農家さんも自分たちで育てたコーヒーを飲んでみたいと興味津々でした。

現状は、現地パートナーであるサフロンコーヒーが精製を行っているのですが、このプロジェクトを通して村に精製所を建設しており、今後はサフロンコーヒーの指導の元で農家さんにとって買取価格が高くなる精製までを村で行えるように支援していきます。

旅の始まりと終わりで訪れたサフロンコーヒーのカフェで注文したのは、同じフラットホワイトのコーヒーでした。
初日は、他の作業をしながら飲んでいたフラットホワイト。村を訪れたあとは、携帯電話をリュックにしまって、この1杯が出来上がるまでのことを思い出しながら、飲むことに集中しました。

この1杯になるまでに、村に住むコーヒーを育てる人、収穫する人、運ぶ人、精製する人、ロースターまで運ぶ人、焙煎する人、抽出する人。たくさんの人の手が関わっている。
これまで情報として知っていたことを、実際に産地に訪問し体感することができました。
今回の滞在で出会った"家族の時間を大切にしている"ミヤさん。 "食事中はご飯を食べることに向き合っている"村の人々。彼らは、その時間を生きることに集中していて、それが豊かであると知っているようでした。
私たちの暮らしの中にも、きっと「豊かさ」は、すでにあるはず。

ラオス ルアンパバーン
マークマイ ウォッシュ A
コーヒージャパンプロジェクトの
地域から届いたコーヒー

ラオス サーン ウォッシュ Sc14UP
森林農法で栽培された、
ほっとする味わいのコーヒー
『ラオスのコーヒーは、ミルクと合わせるのが美味しい。』
このコーヒーを飲んで、いっしょに想いを馳せていただけるとうれしいです。
この記事を書いた人 海ノ向こうコーヒー |村上 菖 2025年に坂ノ途中に入社。WEBまわりとSNS運用を担当している。
